その前の道に沿って、西へ50メートルばかり行くと、溝は北へ折れて流れる。
そこに30センチほどの小さなお地蔵さん(写真)がある。
このお地蔵さんについて、本岡豊二さんは『ふるさと・やはた』に、次のような文を寄せておられる。
・・・そこは(お地蔵さんがある場所)4~5メートルの落差があって、小さな滝になっている。
60年ほど前(この原稿は、昭和59年に書かれている)水流も豊富で、水車で米つきをする水車小屋があった。
大雨の時など、竹のスを張って「川がに」等をとっていた人々の姿が懐かしい。
その滝付近の護岸工事の際、石垣の下から小さなお地蔵さんが発掘された。・・・赤子を抱いているようにも見え、お乳を飲ませているようにも見える。
子供のころ、祖母からトンドの捨て子という昔話を時々聞かされた。
(トンド・ドンドは、流れの急な場所で、水が音を立てて流れている場所を指している。トンドは水の流れの音であろう)
「・・昔、子捨て場であったそうな・・」という言い伝えを知る人も多い。そんな昔話もあるいは本当でないかと思われる。
昨日、このお地蔵さんを訪ねた。お地蔵さんは、昔の悲しい村の物語を語り出しそうだった。
*『ふるさと・やはた』(加古川農業改良普及所)参照
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます