山中集落から湯ノ山街道を東に歩き、原の大池の手前で、寄り道をして大歳神社に立ち寄りました。
そして、境内の「皇紀二千六百年の碑」や「西牧の大庄屋・内海氏」を訪ねました。
元の道に戻ります。
原の大池から志方町(しかたまち)へ歩きます。
まず、右手に原の大池の風景(写真上)が広がります。
原の大池
原の大池は、横大路、原、成井、永室、西牧の集落にとって、まさに命の水甕です。
これらの集落は、農業に十分な水を供給する川を持ちません。
それに、急峻な山からの水は、そのままでは平野部へ流れ、法華谷川に流れ込んでしまいます。
そのため、山に降った水を、いったん溜めておく池がどうしても必要になります。
各集落でも小さな池を持っていますが、それだけでは十分ではありません。
原の大池の水は百姓にとって宝物でした。
それでも、しばしば旱魃に襲われています。
6月29日の神戸新聞では、大池の「樋抜きの儀」のようすを報じています。
樋抜きの儀
梅雨入りとともに田植えシーズンを迎え、加古川市志方町原の大池で(5月)28日、農業用水を利用する5集落に分水する神事「樋抜きの儀」が行われた。
住民ら約25人が水利の安定と豊作を祈り、各集落に流れる水路にため池の水が注がれた。
大池は面積9ヘクタール、総貯水量24万6500立方メートルで、志方町最大級のため池。
池を管理する横大路、原 、成井、永室、西牧の各集落に注ぎ、約水田など110ヘクタールを潤す。神事は、池の水を使う前に行う伝統行事。
この日は各集落の町内会や水利組合の代表者らが見守る中、志方八幡宮の間原智子宮司が祝詞を唱え、一同で拝礼。大池のバルブを開けると、集落に配水する円筒形の施設「分水工」から水がごう音を立てて流れ出た。
各地区の配水量や管理にかかる経費の負担は、昔ながらの「石高」で表した比率により、それぞれ定められる。
成井町内会長の長谷川稔徑さん(67)は「昨年は猛暑と少雨でため池の水もギリギリだった。今年は適度に雨が降ってくれれば」と願いながら流水を見つめていた。 (5月29日・神戸新聞より)
*写真:分水工
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