ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

瀧瓢水物語(17) 瓢水の句(2)  浜までは 海女も蓑着る 時雨かな

2016-10-16 09:17:54 | 瀧瓢水物語

 浜までは 海女も蓑着る 時雨かな

 瓢水が、ある年の暮れ、風邪をひき籠っていたことがありました。

 ちょうどその時でした。

 一人の雲水(うんすい)が瓢水の噂を慕ってその葦屋に訪れました。

 あいにく、薬を取りに行くところだったので、「しばらく待っていてくだされ・・・・」と言い残して待たせておいて、一走り薬屋へ薬を取りに行きました。

 後に残された雲水は、「瓢水は生命の惜しくない人間と聞いていたが、案外な男だった・・・」と言い捨てて、そのまま立ち去っていきました。

 帰ってこの話を近所の人から聞いた瓢水は「(雲水は)まだそんなに遠くはゆくまい、どうかこれを渡してくだされ」と言って、一枚の短冊にさらさらと書いたのは、「浜までは 海女も蓑着る 時雨かな」の一句でした。

 (*生命は、固執するものではないが、最後まで大切にすべきものである)

 これを受け取った雲水は、非常にわが身の浅慮を後悔し、再び瓢水翁を訪れ一晩中語り明かしたといいます。

 この瓢水の句碑(写真)が、平成5113日に宝蔵寺の境内に建てられました。(no3365

 *写真:宝蔵寺境内の瓢水の句碑(浜までは 海女も蓑着る 時雨かな)

 *『瓢水』(瀧瓢水句碑建設記念誌編集委員会)参照 

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