地名「蛸草」
それにしても「蛸草」は不思議な地名です。「蛸草」の語源についての定説はありません。
『地名でたどる小さな歴史Ⅱ(橘川真一編著)』(神戸新聞総合出版センター)では、「・・・地名の由来は、ここは昔海に近く、よく蛸が草にからみついていたからというが、ちょっと信じにくい。
おそらく高草(たかくさ)がその語源であろう」と書いています。
蛸草は「タケクサ」からの転訛!
また、郷土史家の石見完次氏は、蛸草の地名について次のように説明されています。
・・・現在の「蛸草」という地区は、旧蛸草村の人達が開拓した新田村であるから、「蛸草」という地名の起源は当然(江戸時代以前の)蛸草村にあるわけである。
「長草」という小字名が大池の下の谷に今もある。
ナガクサという土地の人は読むが、「タケクサ」が本来の呼び方であろう。
「タケクサ」が転訛して「タコクサ」になることは容易に納得できる。
この長草(たけくさ)の茂る谷に臨む両岸の六か村(今の北山・中村・森安・六分一・国安・岡)が「タケ草谷村」と呼ばれ、「タコ草谷村」と訛って呼ばれるようになったことも肯けるのである。・・・(『印南文華(4)』より)
余談を付け加えておきます。
日本語では奈良朝ぐらいから明治ごろまで、身長・高さのことを、もっぱら「たけ(丈)」といいました。
樋口一葉の「たけくらべ」思い出していただければ想像がつきます。
橘川説より石見説に引かれるのですが・・・
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