力士・陣幕島之助
石宝殿から加茂神社へと向かう道沿いに、江戸時代に大坂相撲で活躍した力士の家が最近まで残っていました。
この家は、平成23年に解体されました。
白壁に浮き出た「陣幕」の漆喰文字で、三代目、陣幕島之助の家でした。
彼は伊保崎村に生まれ、22才で相撲の道に入り、姫路藩主酒井忠道に可愛がられていたといいます。
文化2年(1805)に入幕、同11年に西の関脇に昇進、文政5(1822)年高見山から「陣幕島之助」と改名しました。
初代の陣幕は、相撲史上最強の大力士といわれる雷電為右衛門(らいでんたえもん)を破ったことで知られています。
その名を継いだのだから、なかなかの名力士であったに違いありません。
三代目の陣幕は、文政12年(1829)に亡くなっています。
臥牛の台座に残る陣幕一門の銘
写真は陣幕の死に際して一門の奉納した石の台座(上に鎮座する臥牛は後のもの)が、曽根天満宮に残っています。
竜山石製の台座は文政12年(1829)、陣幕が亡くなった年に奉納されています。
「東西関取 陣幕門□」の文字を読むことができます。(□には「弟」の字が入っていたのでしょう)
陣幕の死に際して、門弟たちが奉納しています。
石工は、生石村瀬助です。(no2737)
*『はりま(歴史見て歩き)・埴岡真弓著』(神戸新聞出版センター)参照
*写真:陣幕一門の銘のある臥牛のある台座(曽根天満宮)
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