ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

大河・かこがわ(55) 古墳時代(22) 金のイヤリング(カンス塚古墳出土)

2019-09-25 11:11:18 | 大河・かこがわ

         金のイヤリング(カンス塚古墳出土) 

 平荘湖古墳群のほとんどの古墳は6・7世紀のものです。

 その中にあって、カンス塚古墳は5世紀後半にさかのぼり古い古墳です。

 カンス塚古墳は、平荘湖の建設に伴い湖底に沈んだ全長30メートルの古墳でした。

 一部盗掘されていましたが、玉類などの装身具・刀剣・鉾・やじり・鎌・斧・砥石・須恵器それに鉄鉗(かなはし)・槌などの鍛治具など多くの種類の出土品しています。

 出土品も朝鮮半島南部の渡来した工人により須恵器・製作技術によるものも多く含まれています。

 なかでも一対の金のイヤリング(写真)は注目を集めました。

 県下でも、加古川市の他に2例(姫路市と龍野市の古墳)があるだけです。全国でも、50ほどの出土例しか知られていません。

 このイヤリングも朝鮮半島からもたらされたもので、カンス塚古墳の主とその交易関係に興味が持たれます。

 それにしても、カンス塚の「カンス」とはどんな意味でしょう。前々から気になっていました。

 この古墳から出土した鉄鉗(かなはし)に注目してください。

 この鉄鉗の形がカンス塚古墳の形(帆立貝式古墳:前方後円墳の前方部が短いもの)に似ており、カンスはカナハシが変化した単語であるというのです。

 また、「カンスは鉄・銅で作った湯沸かし器や茶の湯で用いる茶釜をいう」と辞書にあります。

 今のところ、定説はありません。(no4754)

 *写真:カンス塚古墳出土の金のイヤリング

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大河・かこがわ(54) 古... | トップ | 大河・かこがわ(56) 古... »

コメントを投稿