樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

インドの木の文化

2013年03月04日 | 木と文化
京都大学生存圏研究所主催の「木の文化と科学」というシンポジウムに行ってきました。このシリーズにはこれまでにも何度か参加していますが、今回のテーマは「インドの木の文化」。
講演が2つあって、インド森林研究所の博士による「インドの木の文化:過去・現在・未来」と、京都大学生存圏研究所の博士による「ヒマラヤシッキム地方における寺院建築用材の樹種識別」。どちらも女性で、母国語は英語です。
同時通訳があるだろうと気軽に出向いたものの、受付で聞くと「同時通訳はありませんが、時々日本語の解説が入ります」とのこと。渡された資料もほとんど英文。
「聴講しても分からないし、帰ろうかな」と思いましたが、せっかく来たので最後まで参加しました。部分的にしか理解できないうえに、インド在来の樹種が学名で表示されるのでチンプンカンプン。それでも、パワーポイントの写真や図表、時々入る日本語の解説でぼんやりとは理解できました。
最初の講演で面白かったのは、インドの楽器に使われる木。チークやシタン、クルミなどが使われているようです。


インドの楽器(下に列記されている学名を帰宅後に調べて樹種が判明しました)

もう一つ「なるほど!」と思ったのは、クリケットのバット。インドはイギリスの文化圏なので、野球ではなくクリケットが主流ですが、バットの素材はポプラだそうです。野球のバットにポプラは無理でしょうが、ワンバウンドしたボールを打つクリケットでは軽くて軟らかいポプラが最適なんでしょう。
びっくりしたのは、インド森林研究所の建物(下の写真)。おそらく昔の宮殿をそのまま使っているんでしょうね。日本の「森林総合研究所」の職員はうらやましいでしょう。



2つ目の寺院の用材の講演では、「ヒマラヤだから用材もヒマラヤスギが多いだろうな」と思っていましたが、予想は外れて主な材料はヒマラヤモミとのこと。
下の写真はあるお寺の内部。柱はヒマラヤモミで、赤や緑に塗ってある肘木などにはヒマラヤポプラやネパールハンノキが使ってあるそうです。
日本の神社仏閣はほとんどがヒノキ製ですが、インドの場合、部位によって木材を使い分けているようです。




ヒマラヤモミ材の表面

講演後の質疑応答も英語。参加者の大半が京大の学生や研究者のようで、私は場違いな存在でした。それなりに面白かったけど、マニアックな世界に深入りし過ぎたかな? 
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
インドの楽器 (bulbul)
2013-03-05 07:13:45
タブラ(表記が違ってるかも)やシタールの存在を知ったのはジョージ・ハリスンが使いだしたからでした。なんて素晴らしい音なんだと感動した、思いおこせば半世紀前 (笑) ? 
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ビートルズは (fagus06)
2013-03-05 07:48:33
一時、インド音楽にはまりましたね。特にジョージ・ハリスンはかなり傾倒していたようですね。
シタールは聴いたことありますが、タブラは覚えがありません。
インドの弦楽器って、みなネックが長くて、胴が小さいですね。
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Unknown (guitarbird)
2013-03-07 10:34:25
こんにちわ
ポプラは日本では北海道から北のものというイメージがつながっていますが、実際はそうでもないのですよね、確か。
まあインドでも北の内陸のほうはある程度寒いのでしょうけど。
寺院に針葉樹が使われているのは、やはり常緑というところに何か(材としての意味以外に)感じるものがあるのかな、と思いました。
シタールはひとまず家に1本欲しいです(笑)。
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ポプラは (fagus06)
2013-03-08 07:46:55
こちらでもよく見かけます。
私の小学校にも植えてありました。
この寺院はシッキム地方といって、ヒマラヤの高山地帯にあるので針葉樹も自生しているのだと思います。
ビートルズファン&ギターファンとしてはやはりシタールが欲しいですね(笑)。
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