樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ジンクス

2014年03月06日 | 野鳥
1カ月前に行われた都知事選で元総理&元熊本県知事の細川さんが敗れましたが、他県の知事経験者は都知事選では勝てないというジンクスがあるそうです。
調べてみると、前回は元神奈川県知事の松沢さんが猪瀬さんに、前々回は元宮崎県知事の東国原さんが石原さんに、さらにその前は元宮城県知事の浅野さんが石原さんに敗れています。1963年にも元兵庫県知事の阪本さんが立候補しましたが勝てませんでした。
たまたまそういう結果になっただけかも知れませんが、これだけ続くと「やっぱりジンクスはあるのかな」と思いたくなります。
この「ジンクス(jinx)」は鳥に由来するそうです。キツツキの仲間アリスイの学名は「Jynx torquilla」。
その形態や動きやから、ヨーロッパでは不吉な鳥とされたようで、「ジンクス」という鳥の名前が悪いことの予兆を意味するようになったらしいのです。
その「ジンクス」が出没すると聞いて、奈良まで足を伸ばしてきました。なかなか見られない鳥で、私も15年ほどお目にかかっていません。



確かに、首を伸ばしたり回したり、動きが不気味です。英名の「Wryneck」も学名(小種名)の「torquilla」も「曲がった首」という意味だそうです。
体色や模様がヘビみたいで気色悪いですね。以前、NHKの「ダーウィンが来た!」では、外敵が近づくとクネクネしたヘビのような動きで追い払う生態を放送していました。
また、舌の長さが10cmもあって、「体の大きさに対して舌が最も長い鳥」というギネス記録を持っているとのこと。その長い舌でアリを捕食するので「蟻吸い」ですが、舌をチョロチョロさせるところもヘビに似ています。
キリスト教ではヘビは悪魔の化身とされるので、アリスイ=ヘビ=不吉というアイコンが成立したのではないでしょうか。
欧米では「ジンクス」は凶兆にしか使わないそうですが、日本では吉兆・凶兆どちらにも使います。「縁起をかつぐ」とか「ゲンをかつぐ」とごっちゃになっているんでしょう。
私はゲンかつぎもしませんし、ジンクスも信じませんが、みなさまには何かジンクスがありますか?
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2014-03-09 00:34:59
おはようございます
アリスイの学名の属名がJinxであるのは気づいていたのですが、そういうことだったのですね。
翡翠と同じで鳥が先なのですね。
種小名の意味は図鑑にも書いてあって知っていました。

アリスイは2回しか見たことがありません。
A公園で一度見たのは移動の途中ではないかと思われ、もう一度は仕事で行った先で農耕地にある池のほとりの木にいました。
この鳥はどこに行けばいるというのを私はつかんでいないのですが、図鑑で見ると特に少ない鳥でもないらしく、私が遠征で行くのはほとんどが山林だからあまり接する機会がないのではないかと考えています。

ちなみに私はジンクスやゲン担ぎが必要なことはほとんどないので思い浮かばないですが、そういう状況になれば何かできるかもしれない、という人間です。
ジンクスじゃないですが、誕生日が29日なので、駅のコインロッカーではまず29番が空いているかどうかを探します(笑)。

ところで本筋とは関係ない話ですが、平凡社の図鑑「日本の野鳥」が新しくなったのはご存知ですか?
東京に行った時に見つけて買いましたが、590から630か640に増えていました。
ただ、送る荷物の中にいれてまだ札幌に着いていないので詳細は今は分からないのですが・・・
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ジンクスの語源が (fagus06)
2014-03-09 08:06:16
アリスイであるというのは一つの説のようです。でもバーダーには興味深い説ですね。
この鳥は、川辺の樹木などでよく観察されているようで、わたしも以前から宇治川を歩くときには意識して探していましたが、全く出会えませんでした。
この個体は、奈良の平城宮跡の湿地の横の樹林でけっこう長く滞在しています。湿地や水辺の近くに樹木があるような環境を好むようです。アリとかクモを捕食するようですから、そういう所にアリが多いんでしょうかね。
平凡社の図鑑『日本の野鳥650』ですね。実は、解説を担当されている大西敏一さんは大阪在住で、京都支部の役員と友達であることから、今年の総会の記念講演をしていただくことになりました。その関係で、支部報に掲載する図鑑の書評を私が書くことになって、大西さんから1冊送っていただきました。
すごい図鑑ですね。1度でも日本で記録されたことのある鳥はすべて写真で掲載されています。
日本では絶滅したキタタキの、タイで撮影された写真が掲載されていたのはビックリしました。イラストでしか見たことなかったので。
撮影された真木広造さんってすごい写真家ですね。あの膨大な量の写真、全部一人で撮影されています。
当然、海外でも撮影されてて、日本ではまず見られな
い鳥の、写真を眺めているだけでも楽しいですね。総会で著者割引で販売されるので私も買うつもりです。
学名や英名はもちろん、巻末に中国名、韓国名も出ていて、ブログの資料にも使えるなと思っています。
ギタバさんが以前書いておられたように、これまでの図鑑はすべて鳥が左向きになっていましたが、この図鑑は右向き、左向き、いろいろです。最近の図鑑はこういう傾向なのか、この図鑑ならではのコンセプトなのか分かりませんが、写真を反転することは不自然であるという写真家の意志を感じました。
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