樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

松が嫌いな神様

2009年08月10日 | 木と宗教
神戸の繁華街・三ノ宮から徒歩5分くらいの場所に生田神社があります。タカラジェンヌや関西の有名人が挙式する神社として有名で、最近では藤原紀香と陣内智則の結婚式で全国に知られました。

       
                 (生田神社の社殿)

この生田神社では松がタブーになっています。1200年前、生田川が氾濫した際に境内の松が倒れて社殿が壊れ、「松は水に弱いので、今後は境内では松を忌むように」という神のお告げがあったからだそうです。現在も境内には松を1本も植えず、お正月の門松も杉を代用しているとか。
古来、松は神の寄り代(天から降りてくる階段みたいなもの)と考えられ、ほとんどの神社には松が植えられています。能舞台の背景に松が描かれているのもこのためです。その松を嫌う神様というのは珍しいのではないでしょうか。

       
              (「生田の森」にあるご神木はクスノキ)

実際に歩き回ってチェックしてきましたが、確かに境内にも裏手の「生田の森」にもマツはありません。多いのはクスノキ、ツバキ、スギ、竹など。
ところが、ヒマラヤスギが植えてあるのを私は見逃しませんでした。本殿の近くに3本、松尾神社の分社に6本、駐車場の隅に1本、けっこう大きな樹がありました。
ヒマラヤスギは名前を見ればスギ科のようですが、植物学的にはマツ科。日本の自生種ではありませんが、この神様が大嫌いなマツの親戚です。

       
               (駐車場の隅のヒマラヤスギ)

アカマツやクロマツでなければOKということでしょうか。それにしても、松をタブー視する神社があるというのは、私にはとても興味深いことでした。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 総長カレー | トップ | 菩提樹 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに興味深い (guitarbird)
2009-08-10 18:07:47
こんにちは
この話は興味深いですね、そして面白い。
松がない神社というのも不思議な感じです。
しかしヒマヤラスギを見逃さないのはさすがですね(笑)。
返信する
松をタブーとする (fagus06)
2009-08-11 08:44:10
神社はおそらくここだけじゃないでしょうか。
もともとはもう少し離れた場所にあったようですが、その水害によって現在の場所に移転したそうです。
相当の被害があったのでしょう。松に罪はないと思いますが、樹木に八つ当たりする神様というのも面白いですね。(笑)
返信する

コメントを投稿

木と宗教」カテゴリの最新記事