樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

地球最速の動物

2008年02月15日 | 野鳥
近所に隼上り(はやあがり)という地名があります。古代この周辺には巨大な池があったのですが、そこに生息するカモや水鳥をハヤブサが捕獲して山に持って上がったのがその由来だろうと推測しています。

       
          (隼上りには古代に瓦を焼いていた釜跡があります)

その名残りでしょうか、うちの裏山にはハヤブサが棲みついていて、山崩れの跡のような断崖絶壁で毎年ヒナを育てています。
ハヤブサはこうした山とか海岸の絶壁に巣を作りますが、餌さえあれば自然の中じゃなくてもいいみたいで、都会の断崖絶壁、つまり高層ビルで営巣することがあります。金沢市ではビルの17階で営巣したことがあって、その様子が動画で公開されています。
10年ほど前ニューヨークに行った時も、摩天楼を飛び交うハヤブサが話題になっていました。セントラルパークのハトや小鳥を餌にしていたようです。

       
           (裏山に棲みついているハヤブサ)

ハヤブサは名前の通りスピードが速く、時速180kmという鳥類最速記録を持っています。哺乳類で最も速いと言われるチーターが100km、海で最も速いマグロが160kmだそうですから、地球上で最も速い動物はハヤブサということになります。昔の人の命名は正確ですね。
ところで、鴨とか鶴とか鳥の漢字には「鳥」があるのに、なぜ隼や雀や燕には「鳥」がないのだろうと以前から疑問でした。漢和辞典で調べたら、「隼」の上の字(パソコンでは表示不能)も「鳥」の意味なんだそうです。
そう言えば、雀、雉(キジ)、雁(ガン)も同じつくりですし、雄・雌も元々はニワトリのオス・メスを意味したそうです。「集」も木の上に鳥が群がっているところから生まれた漢字だそうです。
バードウォッチャーのみなさん、ご存知でした? (燕の由来は不明です)
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6 コメント

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もちろん (guitarbird)
2008-02-17 15:10:53
こんにちわ
もちろん知りませんでした。勉強になります!
ハヤブサの降下スピードの速さは先日体験したばかりです。

ところで「燕」「隼」「鴎」「梟」などは、
人に説明する時に困ったという経験はありませんか?
特にBLOGで記事にする時。
それらはその仲間の総称としてきわめてよく使う一方で、
それだけでもひとつの種名の標準和名になっているので。
私は例えば「カモメという標準和名のカモメ」とか言ったりします(笑)。
ちなみにこちらで「燕」というと、多くはイワツバメのことです。
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知りませんでした~ (scops)
2008-02-17 23:37:16
ちょっと考えると隹のついたものには雇雅雑雛難離などがあります。そう思うと漢字の成り立ちにも興味が湧いてきます。漢字って面白いですね。

ところで、この記事に登場した隼の下の十は何の意味なんでしょう?
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「標準和名」ですか、 (bulbul)
2008-02-18 05:49:50
 そう、カモメでよく行き違いがありますね、「普通カモメ」とか言ってます。カラスは自分でもややこしくなったり、往々にちゃんと識別してなかったりして、雀、隼、イエスズメとかチゴハヤブサなんか回りにいないし良いけど、
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guitarbirdさんへ (fagus06)
2008-02-18 09:11:23
ハヤブサのスピードについては諸説あって、200kmとかそれ以上もあるようですが、記事では信頼できそうな説を採りました。
鳥の種類の説明のしかたには、bulbulさんのコメントに近いですが、「ただ」を使うことがありますね。「ただのツバメ」とか「ただのモズ」を略して「ただツバメ」とか「ただモズ」と呼ぶことが多いです。
でも、例えばチゴハヤブサと区別するつもりで「ただハヤブサ」とは言わないですね。「ただ」には「普通にどこでも見られる」というニュアンスがあるから、ハヤブサには使えないです。
それに、これは鳥仲間の間では通じますが、一般の人には通じないでしょうね。
北海道で「ただツバメ」と言えばイワツバメになるんですね。
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scopsさんへ (fagus06)
2008-02-18 09:16:57
そう言えば、雛も同じグループですね。鳥に関係のない漢字も含まれているのは、由来が異なるのかも知れません。
scopsさんが大好きで、家紋にもなっている鷹も同じくですね。
隼の「十」については手元の漢和辞典では説明がありませんでした。今度、図書館のでかい漢和辞典で調べてみます。
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bulbulさんへ (fagus06)
2008-02-18 09:24:05
guitarbirdさんへの回答をいただいてありがとうございます。
「普通カモメ」ですか。上にも書きましたが、私の周囲のバードウォッチャーは「ただ」を使います。
それぞれ人やグループによって言い方が違うんですね。
カラスは「ブト」「ボソ」と呼び分けています。
そういう、正式名ではない、身近な呼び方を地域ごとに誰かまとめてくれると面白いのに。
日本野鳥の会の「野鳥」編集部に提案してみようかな?
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