樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

右上捻じれ・左上捻じれ

2015年05月25日 | 樹木
5月11日に「右上巻き・左上巻き」と題してツルの巻き方をご紹介しましたが、またまた「右・左」で疑問が出てきました。
鳥獣保護区の野鳥生息調査をお手伝いするため、京都市の西のはずれの山を歩いた際、樹皮が右上に捻じれているアセビと、左上に捻じれているアセビを発見したのです。




頭の中に「ネジキは右上方向に捻じれる」という知識があって、ネジキもアセビも同じ仲間なので「アセビも右上に捻じれるはず」と思っていました。実際のフィールドで見るアセビも右上に捻じれていたと記憶しています。
ところが、左上に捻じれているアセビが存在したのです。「え~?」と思ってネットで調べると、アセビもネジキも左右どちらにも捻じれた事例が画像付きで掲載されています。
では、「ネジキは右上方向に捻じれる」という情報はどこに由来するのか? 悔しいので調べてみたら、出典は『朝日百科 植物の世界 第1巻』でした。
その287ページに、「ツツジ科のネジキは、幹がしばしばねじれているのでこの名があるが、そのねじれの方向はつねに右である」と書いてあります。
筆者は、鈴木三男。どこかで聞いた名前で、著書を読んだ記憶もあります。調べてみると、東北大学の教授で、専門は植物形態学とのこと。
鈴木先生、「ネジキは常に右方向に捻じれる」と断言していいんですか? その根拠は何ですか? 
ちなみに、野草のネジバナも左右両方に捻じれるそうです。
コメント (2)
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