高知県に面白い人がいて、369種類もの木を使ってコーヒースプーンやカレースプーンを作りました。それを地元の林業NPO「84プロジェクト」が「木の種類‐スプーンの森‐」という冊子にしました。
その冊子がまた、全長10メートルの蛇腹折りという面白い形態。私も釣られて注文しました。家の廊下に広げて撮ったのが下の写真。往復してもまだ余っています。
作者のフクドメさんは、知り合いの人が作ったタンナサワフタギのスプーンに触った時に電気が走ったそうです。その象牙のような触り心地に心を奪われてスプーン作りを始めたとのこと。木の枝をナタで削り、ムクノキの葉で磨いてツヤを出すという方法で作っています。
それにしてもハンパじゃない数です。私が今までにツリーウォッチングした木の種類は、多分369種類もないと思います。
冊子を見ると、日本の自生種だけではなく、ワシントンネーブルとかフェイジョアなど外来種もあります。また「にいたかなし」とか「おきつ」など、聞いたこともなく、図鑑にも載っていないような木もあります。おそらく地方名でしょう。
スプーンは五十音順に並んでいて、たとえば上のページは左から、さわぐるみ、さわしば、さわふたぎ、さんごじゅ、さんしゅゆ、さんしょう、さんぽうかん、しきみ、しじみばな、しだれやなぎ。
「木の種類」というタイトルどおり木材図鑑としても使えますが、こういうものは「何かに使える」というよりも、ただ「面白い!」というだけで価値があるのだと思います。
84プロジェクトの「84」は高知県の森林面積比率が84%であることに由来します。高知県は林業県としても知られていますが、なかなか面白い人が多いですね。
84プロジェクトの「スプーンの森」はこちら