樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

護摩木

2010年02月08日 | 木と宗教
先週の2月3日、近くにある龍神総宮社という新興宗教の神社で節分祭が行われました。私は宗教心ほとんどゼロですが、親戚の代理で厄除けの護摩祈願をするためと、無料で振る舞われる巻寿司やイワシの塩焼きに目がくらんで(笑)参拝してきました。
信者や一般市民が供えた数万本の護摩木が井桁に組まれ、祭主が祈祷する中、勢いよく燃え上ります。


(地面に掘られた大きな炉で燃える護摩木)

木材マニアとしては以前からこの護摩木が気になっていて、いろいろ調べたことがあります。まず樹種は、国産材ではヒノキ。私の推測ですが、表面が艶やかで美しく、香りも良く、間伐材としての用途に向いているから護摩木に使われるのでしょう。
下の写真は、近所の宇治神社の護摩木。匂いを嗅ぐと、甘みのあるヒノキ特有の香りがしました。



ヒノキ製はやや高価なためか、一般的にはスプルース製が使われるようです。北米のマツ科トウヒ属の樹木で、肌が白くて文字が書きやすく、よく燃えるので護摩木に最適だとか。
下の写真は、立木観音(安養寺)に参拝したときのもの。外見だけではヒノキと区別できませんが、ほぼ無臭だったのでスプルースでしょう。



ところで、1枚目は神社の護摩木、2枚目は寺院の護摩木。「神道でも仏教でも同じことをするのはなぜだろう?」と疑問になって少し調べました。もともと密教系(真言宗・天台宗)の修法だった護摩祈願が神仏融合で神道に入り込んだ後、明治の神仏分離で強制的に改組されたために、護摩祈願の伝統を持つ神社が残ったという経緯のようです。


(有名人による豆まき)

ちなみに、参拝した節分祭では毎年有名人が豆まきをします。今年は相撲界から貴乃花親方、旭天鵬、黒海、芸能界から中条きよし、左とん平、佐藤我次郎、お笑い界から桂きん枝、太平サブローなど13人が参加。
また、市長や国会議員、府会議員、商工会議所会頭など宇治の政財界の有力者も裃姿で豆をまいていました(政治家がこういう宗教行事に参加していいのかな?)。おそらく宇治で最も多くの著名人が集まるイベントです。
貴乃花親方はちょうど2日前の相撲協会の理事選挙で注目されていたため、会場には東京のテレビ局や大手新聞社の取材クルーが詰め掛けていました。


(貴乃花親方には大きな拍手が…)

他の著名人が豆を投げる中、親方はステージの前の人々に直接手渡ししていました。優しい人柄なんでしょうね。

PS
guitarbirdさんのリクエスト(?)にお応えして、巻寿司と鰯の写真を追加します。巻寿司はお昼としてその場で、鰯の塩焼きは持ち帰って夕飯に妻と一緒にいただきました。
鰯の写真がボケているのは、炭火焼きの煙が充満しているためです。





コメント (6)
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