樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バンクーバーの表彰台

2010年02月22日 | 木とスポーツ
オリンピックの熱戦が連日放送されています。今のところ日本人選手は3人しか上ったことがないので見る機会が少ないですが、この大会の表彰台は木製です。
森林に囲まれたブリティッシュコロンビア州の特徴を生かして、先住民や自治体から寄贈された木材を使って製作したとか。
幅4.8mのものから15.3mの団体競技用まで用意され、最も軽い表彰台でも200kg。たくさんの板を並べた流線型のデザインは、バンクーバー周辺の山並みを表現したそうです。


(木製の表彰台)

上と下の画像はブリティッシュコロンビア州の広報用サイトからいただきましたが、そのページでは各会場で使われる23台の表彰台について、どの地域の誰が寄贈したか、どんな木を使ったかまで紹介しています。
樹種はイエローシダーやレッドシダーなどヒノキ系、ダグラスファーやパインなどマツ系、そのほかスプルース(トウヒ)、ラーチ(カラマツ)、ヘムロック(ツガ)などの針葉樹のほかバーチ(カバノキ)もあります。その多様さはさすが森林大国。


(200個もの木材パーツを使った表彰台)

この表彰台に良く似たものが宇治市にあることを思い出しました。文化センターのロビーに飾ってあるモニュメント。バンクーバーの表彰台を縦にしたような木彫アートです。
大倉侍郎という宇治在住の彫刻家(世界的にもそこそこ有名らしいです)が制作した高さ5.2mの大作で、文化センターが竣工した25年前にロータリークラブが寄贈したもの。


(宇治市文化センターにある木彫作品「ながれ」)

作品名は「ながれ」。85cm角のシオジ材を50枚積み重ねて宇治川の流れを表現しています。
バンクーバーでは山を、宇治では川を表現した相似のフォルム。たまたまでしょうが、おもしろい一致です。
「たまたま」がもう一つあります。宇治市には姉妹都市が三つあり、その一つがカナダのカムループス市。ほとんど知られていない町ですが、バンクーバーと同じブリティッシュコロンビア州にあります。地図で見るとすぐ近くですが、州の面積が日本の2.5倍だそうですから、遠いんでしょうね~。
ブリティッシュコロンビア州の木製表彰台のサイトはこちら(英語)
コメント (8)
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