樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の狛犬

2009年07月13日 | 木と歴史
家の近くに、宇治神社と宇治上(うじがみ)神社という同じような名前の神社が隣り合って建っています。宇治神社は国の重要文化財、宇治上神社は国宝で世界遺産。

       
                    (宇治神社)

この宇治神社には、珍しい木製の狛犬があります。と言っても、屋外に設置したままでは痛むので、現在は宇治市歴史博物館に保存され、修理も加えられています。その修理がようやく完了し、一般公開されているというので、しばらく前に見てきました。

             
        (ガラスケースで見にくいですが阿形(あぎょう)像)

この狛犬は鎌倉時代に制作されたもので、ヒノキの一木造りだそうです。現存する木造の狛犬では最大級に属し、口を開けた阿形(あぎょう)像は約81cm、口を閉じた吽形(うんぎょう)像は88cm。特に阿形像の出来がすばらしく、格調高い顔つきで、たてがみの先端部の微妙なそよぎまで写実的に表現されているとか。

             
              (こちらは吽形(うんぎょう)像)

歴史博物館に保存されたのは1987年。それまでの約700年間は境内で野ざらしだったたわけで、修理が必要なくらい痛んだとは言え、よくぞ風化もせず原型をとどめていたものだと驚きます。
恐るべし、ヒノキの耐久力!
コメント (6)
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