樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

インドの“緑の父”

2009年07月27日 | 樹木
宇治市には名木百選があり、その中に1本だけ自衛隊の敷地に生えている木があります。樹種はユーカリ。
先日、近くを通った際に撮影してきました。自衛隊の施設にカメラを向けるのは勇気が要りますが、スパイ容疑で逮捕される覚悟で撮ってきました(笑)。
フェンスの向こうに看板があって肉眼では読めませんが、画像を拡大して読むと、樹高22m、幹周2.8m、推定樹齢60年とあります。ユーカリは成長が早いので60年でも巨木になります。樹皮がはがれて、すでに老木のたたずまい。

             
            (陸上自衛隊宇治駐屯地のユーカリ)

先日、テレビでこのユーカリに関する興味深い話を放送していました。それによると、インドで「独立の父はガンジー、緑の父はスギヤマ」と呼ばれている日本人がいるそうです。
杉山龍丸(たつまる)という人物が、飢饉にあえぐインドの国民を救うために私財を投げ売って砂漠を緑化したからです。その緑化に使われたのがユーカリ。他の木が育たないような悪条件でも成長するので砂漠の緑化に使われたのでしょう。
それだけでなく、杉山は門外不出の米の種をインドに持ち込んで稲作を成功させ、米の輸入国であったインドを米の輸出国にまで成長させたそうです。

       
            (樹齢60年なのに樹皮がはがれ老木のよう)

しかも、この杉山龍丸は小説家・夢野久作の長男。私は読んだことないですが、夢野久作(本名・杉山直樹)は『ドグラ・マグラ』という幻想小説の著者として知られています。他にSF小説や探偵小説も書いています。
その小説家の息子がユーカリでインドの砂漠を緑化し、「緑の父」と呼ばれるようになったという話は、私には大変興味深いものでした。
コメント (4)
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