樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ふるさとの森

2009年07月09日 | 樹木
国会議事堂の庭に47都道府県の木が植えてあることを以前ご紹介しました。それに似たような場所が神戸にあると聞いて行ってきました。
「大倉山公園」という市街地の運動公園に「ふるさとの森」というゾーンがあります。ここは昭和47年に、神戸市の和歌山県人会が「ふるさとをしのぶ森をつくろう」と35の県人会に呼びかけて生れた森。
県ごとに5~10坪の敷地があり、県木やその地方ならではの樹木、石で造園されています。例えば、宮崎県の森には県木のフェニックスが、宮城県の森には県木であり仙台箪笥の材料であるケヤキが植えてあります。

       
              (宮崎県の森は立派なフェニックス)
       
                  (宮城県の森はケヤキ)

長野県の森にはシナノキが植えてありました。県木はシラカバですが、関西では生育しないので、「信濃」の語源になったというシナノキを選んだのでしょう。

       
         (シナノキは信濃を代表する木。長野市の木でもある)

栃木県の森では、説明板には「県木のトチノキ」と書いてありますが、トチノキが見当たりません。おそらく、この公園が乾燥する環境なので湿気を好むトチノキは枯れたのだと思います。私も庭に植えて失敗したことがあります。

       
                 (鹿児島県の森にはソテツ)

高知県の森に植えてあるのはトサミズキ。県木はスギですが、樹種名で選んだのでしょう。鳥取県の森にイチイが植えてある理由はすぐに分りました。説明板にも、「大山の頂上付近に生えるキャラボクはイチイの変種」と書いてあります。

       
              (高知県の森に植えてあるトサミズキ)

県によって力の入れ方が違うようですが、こういう場所を提供した神戸市と、自らの費用で造成した各県人会に敬意を抱きました。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする