樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

エコプロダクト

2008年02月08日 | 木の材
環境がビジネスになるらしく、私のようなところにもエコ関連の仕事が舞い込みます。その参考のために、「エコプロダクツ・デザインコンペ」の発表会を見てきました。協賛企業が提示するテーマに基づいてデザイナーがエコロジー製品を考案し、優秀作品を選ぶというコンクールです。
会場には約30点の試作品が展示してあり、その中に木を使ったものが数点ありました。
一つは、セキスイが開発した人工木材を使った「環境家具」。家屋の解体時に出る廃材や森林整備の際に出る間伐材をチップ化し、接着剤でプレスした材料を家具に使うというテーマです。
材料は、ピーナッツを飴で固めたお菓子のような板。それを組み合わせて、部屋の広さにフレキシブルに対応する棚をつくるというのがデザイナーの意図のようです。
廃材の利用という点ではエコプロダクトですが、固めたチップがそのまま見えるワイルドな表面なので、「家具としては売れないだろうな~」と思いました。

             
           (木材チップを固めた素材を使った「環境家具」)

もう一つも同じく棚。協賛メーカーのアルミ部材と四万十地方のヒノキの集成材を使って、簡単に組み立てられる家具を、という提案です。ネジや工具を使わずに組み立てられるのがポイントで、人工木材の棚よりもこちらの方が商品化しやすいでしょう。
グランプリは、ボックス(外装)はそのまま使い続けて、中身だけアップグレードできる家庭用のプリンター。アイデアとしておもしろいと思ったのは、定形郵便サイズのインクカートリッジ。使い終わったらそのままメーカーに郵送して回収するという意図です。でも、実用化は難しいかな?

       
         (四万十ヒノキの集成材を使ったシンプル構造の棚)

会場は、バブリーな時代に大阪市が3セクで建てた悪名高いATC(アジアトレードセンター)。平日だったことを差し引いても、閑散としていました。市の財政を圧迫しているので、平松・新市長はここに市役所を移転すると公約していましたが、就任後に撤回しました。
ATCを大阪市に進言したのは某有名作家。当時仕事でインタビューしたとき、大阪港の再開発を自慢気に話していました。その先見の明のなさを恥じることなく、後に経済企画庁長官に就任しています。
コメント (4)
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