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樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の実とキノコ

2007年11月02日 | 木と飲食
前回に続いて、秋の「栃の森」レポート。
10月は初旬と先日の2回訪れましたが、いずれも、いろんな木の実やキノコが観察できました。私はキノコの知識は全くないので、同行のメンバーに教えてもらいながら観察しています。
木の実には人間や動物が食べられるものと有毒のものがあります。キノコも多くは樹木が育む恵みで、食べられるものと有毒のものがあります。そんな共通点に気づいたので、木の実とキノコをまとめて記事にしました。

       

木の実の最初はサワフタギ。山の中の川(沢)をふさぐように繁茂するのでこの名があります。青い色がきれいでしょ? 別名ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)。毒があるわけじゃなくて、昔この木で牛の鼻輪を作ったのでそんな恐ろしい名前がついたようです。

       

次はマユミ。昔、木を弓に使ったのでこう呼ばれています。人間が食べても味はないとのことですが、鳥には美味しい樹とそうでない樹があるらしく、集まる樹は決まっているようです。人間の世界で言えば、行列のできるラーメン屋みたいなもの?

       

次はミズキ。この実は鳥が大好きで、以前ご紹介した『野鳥と木の実のハンドブック』によると、鳥が好きな木の実ベスト5にランクされるそうです。実は黒紫ですが、それを支える枝はサンゴのような赤です。

             
           (新しい熊の爪痕を発見。樹種はミズキ)

ミズキは鳥だけじゃなく熊にも好まれていて、この森では爪痕がこの樹に集中しています。以前から「なぜミズキに?」と疑問でしたが、ミズキの内皮はキャベツのような匂いがするそうで、多分樹液が甘いのでしょう。
イタヤカエデにも爪痕がありますが、この樹は前回ご紹介したようにシロップが採取できるほど甘い樹液が出ます。ハチミツなど甘いものが大好きな熊が樹液を舐めるために引っ掻いている、というのが私の推論です。

       

次はキノコ。まずニガクリタケ。きれいな黄色ですが、猛毒で死亡例もあるとのこと。苦いのでこの名前がついたのですが、命名者は一旦は口に入れているわけですよね。お~怖っ!

       

次はクチベニタケ。真ん中に赤い色がついているのでこの名があります。世界的には珍しいキノコで、外人の研究者が見ると感激するそうです。有毒かどうか知りませんが、食べないようです。

       

次は、スッポンの首と頭みたいな形なのでスッポンタケ。臭いやネバネバがあるそうですが、それを洗い落とせば食べられるそうです。私はパスします。

       
           (ブナハリタケの裏側。表は真っ白です)

最後はブナハリタケ。ブナやミズナラの倒木に生え、写真のように裏側が針状になっているのでこの名前。鍋物などに入れて食べるそうで、匂いをかいだら上品ないい香りでした。これなら私も食べられそうです。
ほかにもたくさんキノコがありましたが、長くなるのでこのへんで。
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掻敷(かいしき)

2007年10月29日 | 木と飲食
最近は「回る寿司」全盛であまり目にする機会がなくなりましたが、寿司屋さんのガラスケースの中ではネタの下にヒノキの葉が敷いてあります。また、マツタケもヒノキやシダの葉を敷いた籠に盛ってあります。
こうした食品の下に敷くものを掻敷(かいしき)と呼びます。室町時代の料理書『四条流包丁書』の中に「カイシキノ事 ヒバ ナンテン」と書いてあるそうで、ヒバは樹木としてはアスナロを意味しますが、ヒバ=桧葉(ヒノキの葉)ではないかと解釈されています。
関東では魚の掻敷にサワラの葉を使うそうですが、そのサワラの葉からは酸化を抑える物質が検出されています。サワラとヒノキは近縁なので、いずれも食品の腐敗を抑制する作用があるのでしょう。

      
       (最近は掻敷を使っている魚屋さんが少なくなりました)

この掻敷をきちんと使っている魚屋さんが少なくて、たまたま歩いていた商店街でやっと1軒発見しました。店主に聞くと、「外人が珍しがってヒバに触る」とのこと。外国には食品保存のために木の葉を使うという習慣がないのでしょうか。
なお、上の写真の魚は甘鯛ですが、京都ではグジと呼びます。ちょうど今頃が旬です。
室町時代の料理書にもあるように、ナンテンの葉も赤飯の上に置いたり、料理屋などで焼き魚に添えて出てきます。ナンテンの実はのど飴にも使われますが、葉にも殺菌作用があるそうです。昔の人々は経験的にこうした樹木の殺菌作用を知っていたわけですね。昔の人も偉いけど、木も偉い!
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木でお菓子をつくる京の匠

2007年10月19日 | 木と飲食
「仕事そっちのけ京の匠取材」シリーズ、第3弾。今回は木とお菓子。
京都では丁寧に「お干菓子」と言いますが、豆の粉や砂糖などを混ぜて固めた伝統的なお菓子があります。日常的にはあまり食べませんが、茶席や贈答によく使われます。

      
              (干菓子の詰め合わせ)

その干菓子の専門店を仕事で取材しました。お店に一歩入ると、下の写真のような木型が飾ってあったので、これ幸いに話題をそっちに振りました。
干菓子の木型は浮世絵の版木と同じくサクラ材(ヤマザクラ)と知っていたので、店主に確かめると「そうや!」。でも、今はこの木型の職人が少なくなって、なかなか入手できないそうです。
「一穴、七千円や」と店主。くり抜いた型(穴)一つが7,000円という意味で、梅の花の木型は36個ありましたから約25万円。「その代わり、一つ作ったら2代、3代使える」とのこと。
いろんな木型があって、私は「細かい模様の方が難しいだろう」と思いましたが、球形の型を彫るのが最も難しいらしいです。「模様はごまかしが効くけど、丸はそうはいかん」。

      
            (干菓子の木型はヤマザクラ)

京菓子は季節感を大切にしますから、春夏秋冬を表現するにはたくさんの木型が必要でしょう。ざっと数えたところ30枚くらいありました。このお店はまだ創業が新しいので木型が少ないでしょうが、老舗はもっとたくさん揃えているはずです。
何気なく見たり食べたりしているお菓子ですが、その裏には深い世界があるんですね。
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馬鹿の蜂蜜

2007年09月24日 | 木と飲食
東京の銀座で蜂蜜を採取していること、ご存知ですか? 私もテレビで知ったのですが、NPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」のホームページによると、スタートした昨年は150kg、今年も200kgの蜂蜜が採取できたそうです。
銀座のビルの屋上でミツバチを飼育して、4月のソメイヨシノ、5月上旬のマロニエ(セイヨウトチノキ)、5月下旬のユリノキなど、街路樹や近くの公園の樹木の花から蜜を集めているとか。その銀座ブランドの蜂蜜は近くのレストランやお菓子屋さん、バーなどで使われています。花が咲く街路樹があれば、都心でも蜂蜜が採れるんですね。ちょっとビックリしました。
私がいつも口にしている蜂蜜は、栃の森に行った帰りに地元の蜂蜜屋さんで買うトチノキの蜂蜜。写真の1.2kg入りの大瓶が、以前は3,000円でしたが、2年連続で500円ずつ値上がりして今は4,000円。それでも街で買うことを思えば安いです。私は1本しか買いませんが、仲間の一人は毎年3本買い込んでいます。

         
      (ブランド名も何もなく、ただ「純粋蜂蜜」。素朴でしょ?)

スーパーで売っている安物の蜂蜜は(多分水飴が混ぜてあるのでしょう)ただ甘いだけですが、この蜂蜜はほのかに野生的な花の匂いがします。最初は少し抵抗がありましたが、今では私の蜂蜜のスタンダード。約10年間、ほぼ毎朝トーストに塗って食べています。
しかし、中味はおいしいのに、瓶のラベルはひどいな~。花はいいとして、トチノキの葉は掌状複葉なのにカエデのような分裂葉になっている。しかも、実物は5枚か7枚の奇数なのに、描かれている葉は6枚。今度、蜂蜜屋のおじさんに忠告してあげよう。
トチノキの蜂蜜がなぜ「馬鹿の蜂蜜」かについては、こちらをご覧ください。トチノキを馬鹿にしているわけではありません。大好きな樹なので、新しいメールアドレスにその英語名を使ったほどです。
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割り箸か?マイ箸か?

2007年09月21日 | 木と飲食
下の写真は、ファミリーレストラン「デニーズ」の割り箸です。包装フィルムには、「森林資源を大切にしています。杉の建築材として使用しない部分を”お箸”として有効活用しています。」と書いてあり、中には最初から2本に割った箸が入っています。
この割り箸は、日本のスギの端材を中国に輸出し、現地の工場で箸に加工して日本に再輸入しています。なぜ、そんな回りくどいことをするのか、というのが今日のお話。

       

「マイ箸」がエコ運動の一つとしてブームになっています。現在、日本で使われている割り箸のほとんどが中国製。日本製の割り箸がスギの端材(丸太から角材を取った後に残る弓状の木材)を利用するのに対して、中国製の割り箸は材木(主にシラカバ)をカツラむきにして板状にし、型抜きするという方法で作られています。これが森林破壊につながるというので、一部のエコロジストが「マイ箸」を提唱しているのです。
ところが、日本の林業を守る立場からは反論が上がっています。ただでさえ苦境なのに、これ以上割り箸を排斥すれば日本の林業や割り箸産業が崩壊すると言うのです。日本製の割り箸を普及させればいいのですが、コスト的に無理なうえに、日本の割り箸製造業はすでに疲弊していて増産能力がないとか。
そこで考えられたのがデニーズの割り箸。日本で生まれる端材を利用することで森林破壊を防ぎ、なおかつ日本の林業にも貢献します。往復の輸送代がかかるので、その分のコストダウンを図るために最初から割った箸にしてあるのです。それでも一般的な中国製割り箸に比べれば高いでしょうが、デニーズはあえてこの割り箸を採用しています。

       
      (両方の色や木目は揃っていませんが、お箸としては十分です)

中国でも森林保護政策を採っているため、最近は材料のシラカバをロシアやモンゴルから輸入しているとか。割り箸の世界もグローバル化しているんですね。
中国政府は最近「割り箸輸出禁止」を発表したそうです。一時、炭でも同じようなことがありましたが、相変わらず中国製の炭は輸入されているようですから、割り箸も一筋縄ではいかないでしょう。
なお、割り箸に関しては『割り箸はもったいない?』という本が面白く、この記事もその受け売りです。著者の田中淳夫さんのブログは私も毎回読んでいます。
そこで知ったことですが、「日本製の割り箸をマイ箸にすればいい」という人もいるそうです。賢いアイデアですね。
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花も実もある

2007年07月06日 | 木と飲食
ただ鑑賞のために咲く花より、実を結ぶために咲く花を、私たちは美しいと思います。これは、私が尊敬するコピーライター、秋山晶(しょう)が書いたキューピーマヨネーズの広告コピーです。ニンジンの花の写真といっしょに掲載されました。
キャノンの「撮影は獲物を殺さぬ狩りだ。」とか、カロリーメイトの「精神力だけでは、テープを切れない。」とか、この人のコピーは読む人の心に鋭く届きます。みなさんもご存知だと思いますが、「男は黙ってサッポロビール」も秋山さんの仕事。コピーライターになる前、この人の作品をノートに書き写して勉強したものです。
冒頭のコピーについて、今では「一部を除いて、実を結ばない花はない」と知っているので少し見方が違いますが、この広告を見た当時は「なるほど!」と共感しました。大先輩のコピーを思い出しながら、「じゃあ、花も鑑賞され、実も重用される樹は何だろう」と考えたら、ウメが思い浮かびました。

      
          (今年の春に近所の梅林で撮影)

今年はうちの庭のウメもたくさん実を結んで、妻は大喜びで収穫し、ハチミツを入れて梅ジュースを作っています。去年は15個くらいでしたが、今年は80個くらい収穫できました。
このウメは妻の実家に帰省した折、箱根の峠で農家のおばあさんが売っていたもので、「私がちゃんと管理するから」と言うので買ったもの。私は「多分、枯らすだろうな」と思っていましたが、意外にも収穫が楽しめるほどになりました。

      
          (今年はザルに2杯分収穫できました)

先ほど「一部を除いて」と書きましたが、その代表がソメイヨシノ。この樹はほとんど結実しないので、まさに「ただ鑑賞のために咲く花」ですが、ウメは「観賞のために咲く花」でもあり「実を結ぶために咲く花」でもあります。
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ヤマモモの寺

2007年07月04日 | 木と飲食
車で10分くらいの所に一言寺というお寺があります。大きなヤマモモの樹があることで知られているので、「もう実が成っている頃だろう」とデジカメぶら下げて行ってきました。
その樹は山門の横にあり、すでにたくさんの実が落ちて周囲に甘酸っぱい匂いが立ち込めています。樹高9.2m、幹周り3.3m、幹の内部が空洞になっていますが、樹勢は衰えていません。京都市の天然記念物に登録されています。

      

ヤマモモとは言うものの、モモとは全く別の常緑樹。その実は痛みが早いのであまり流通しておらず、食べたことのある人は少ないはずです。私は親戚からいただいて何度か食べましたが、固いゼリーのような食感で、少しヤニ臭いもののなかなか美味しい実でした。
「食べられる実の成る樹を植えたい」という妻の要望でうちの庭にも植えましたが、当時は雌雄別株であることを知らず、植木屋さんが選んだのは雄株だったので、実が成ることもなく結局3年前に枯らしてしまいました。

      
      (樹の下にもいっぱい実が落ちていました。もったいない)

ヤマモモは時々街路樹にも使われていて、ほとんどが雄株ですが、先日大阪の街を歩いていたら、小さい実がいっぱい落ちている通りがありました。ギンナンは拾っても、食べられることを知られていないヤマモモは誰も見向きもしません。
国立国会図書館関西館の4階のカフェテラスの前には、なぜかヤマモモの樹が20本ほど植えてあります。カメラ持込禁止なので撮影できませんが、私のお気に入りの場所の一つです。
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白樺の大地

2007年06月29日 | 木と飲食
信州ツアーで樹木の名前のお土産を見つけたので買ってきました。「白樺の大地」という名前で、白樺の幹に見立てた円柱のパッケージ。中身は、砕いたゴーフレットをミルクチョコレートに散りばめて、ホワイトチョコレートでコーティングしたお菓子です。

          

確かに信州は「白樺の大地」でした。霧ヶ峰でも美ヶ原でもシラカンバが群生していました。日本人が白樺を好きなのは、現在の美智子皇后が天皇と婚約したミッチーブームの頃、信州のテニスコートでプレイするシーンや白樺林のシーンがメディアによく登場したからだ、という説を本で読んだことがあります。
その真偽は分かりませんが、昨年9月の悠仁新王誕生の際おしるしが話題になりましたが、皇后のおしるしが白樺であることは本当です。

      
             (美ヶ原の白樺林)

もう1つ樹木の名前のお土産を買ってきました。「白い針葉樹」という名前のラングドシャ。買った時は名前の意味が分かりませんでしたが、帰宅後に写真を整理していて「はた!」と気がついたことがあります。

      

諏訪大社に御柱を見に行った際、その横に「天覧の白松(三葉の松) 昭和天皇御参拝 昭和39年」という札のある樹がありました。マツなのにプラタナスのように樹皮が白く、まだら模様に剥がれていました。初めて目にする樹です。
          
             (諏訪大社秋宮の白松)

調べてみると、ハクショウという中国原産のマツで、日本のアカマツやクロマツが二葉であるのに対して三葉であることが特徴で、日本では別名「三鈷の松(さんこのまつ)」と呼ばれ、その落葉を持っていると願いが叶うという言い伝えがあるそうです。道理で、三葉の落葉を撮影しようと探しましたが、人が拾うためか落ちていませんでした。
お菓子の「白い針葉樹」がこの白松に由来するのかどうか分かりませんが、白い針葉樹を見たのは初めてでした。
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ドングリを食べる豚を食べる

2007年05月14日 | 木と飲食
「ハモンイベリコ」ってご存知ですか? 最近話題になっているスペイン産のイベリコ豚の肉で作ったハムです。
グルメじゃないので流行の食材には無関心ですが、このイベリコ豚はコルクガシという樹のドングリだけを食べさせて育てると聞いて、前から気になっていました。コルクガシはヨーロッパ、北アフリカなど地中海沿岸原産で日本には自生しません。
ハモンイベリコは高価ですが、妻が近くのスーパーでスペイン産のイベリコ豚肉を買ってきてくれたので、さっそく塩と胡椒だけでソテーして食べてみました。

      

私は魚の脂は大好きですが、肉の脂は苦手で、メタボ防止もあって料理の際には脂身を取り除きます。でも、このイベリコ豚の脂はノープロブレム! 噂どおり、軽くてサラッとしていて、口の中で溶けました。しっかり豚肉の味もします。
コルクガシは名前のとおりコルクの原料。樹皮のコルク層が厚く、古代ギリシアの時代からワインの栓やサンダルなどに使われてきました。日本では戦争中、同じブナ科のアベマキやクヌギの樹皮をコルクの代用にしていたそうです。

         

上の写真は時々訪れる「森林総合研究所関西支所」に植えてあるコルクガシ。春に撮影したのでドングリは確認できませんでしたが、樹皮は「さすが本物のコルク」と思わせました。
ガチョウにむりやり餌を食べさせて作るフォアグラもそうですが、おいしい肉を食べるためにドングリだけを豚に食べさせるという人間の、良く言えば「こだわり」、悪く言えば「欲深さ」には驚きます。
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砂を噛むような果物

2007年05月11日 | 木と飲食
大人気の韓国ドラマはほとんど見ませんが、中世の宮廷料理人を描いた「チャングム」だけは見ました。現在も衛星放送で再々放送されていて、一度見たのにまた見ています。
その中で、料理にナシを使うシーンがたびたび出てきます。すり下ろして調味料にしたり、カットしたものを料理に使っています。キムチにもナシを入れるようで、朝鮮料理にナシは不可欠のようです。

      

写真はそのナシの花です。4月に帰省した折に、果物の産地として知られる久美浜町で撮ってきました。ナシはサクラやウメと同じくバラ科。こうして見るとなかなかきれいですが、なぜか昔の人はナシの花を見下していて、平安時代は愛嬌のない人の顔に例えたようです。
ちなみに、鳥取県の花はナシ。しかも「二十世紀」と品種まで限定しています。
歌舞伎の世界を「梨園」と言いますが、これは中国の玄宗皇帝が梨の樹を植えた庭に音楽や舞踊の学校を作った故事に由来し、江戸時代の漢学者が演劇界のことを「梨園」と呼んだのが始まりだそうです。
欧米では西洋梨が普通で、私たちが食べる梨はsand pearと呼んでいます。シャリシャリした食感が砂を噛むように思えるのでしょうか。逆に、日本人には西洋梨の食感は頼りないですね。
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