2015/10/05 記
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(前回の続きから)
仮設住宅は、学校の敷地や公園などの公共用地などを優先して建てられるため、避難生活をしていく上で、近所に生鮮食料品店や生活用品店がある便がよいところではなく、車や自転車がなくては買い物ができないような辺鄙な場所であることが多い。1年もたつと、被災者が移動販売を起業して、仮設巡回販売を始めるようになっていくが、それでも駅前大手販売店で補充する必要が出てくる。学校敷地内の仮設は、比較的便利な場所に建てられるが、坂の上であることが多く、車が使えない高齢者が出歩けない制約が出ることが多い。また大きな仮設では、建物が同じようで、高齢者・幼児の迷子が出て、買い物以前の問題を抱えている。通院・銭湯や温泉通いも然りである。
仮設は学校敷地を除くと、土地の利用し易さを優先して建てるので、路線バスの停留所から離れていることが多い。バスの運行が安定するのは、災害復興のインフラ整備の応急工事が終わる発災後半年以降であり、バス利用も不便を強いられる。
こういう状態のとき、車で乗りつけた災害ボランティアは、自家用車を持たない高齢者や子どもの通院・高齢者の買い物・美容院連れ添いなどの車サービスを始めた。このとき、ガソリン代を取ることが、商売行為に抵触して行政指導が入ったり、タクシー業者から、商売妨害の批判が出て、下火になってしまった。おかしな話である。
地元支援団体は早い時期に、行政と事前交渉を済ませておく段取りが欲しい。ガソリン代の基準作りや、タクシー業界も車サービスのネットワークに組み込み、オンデマンドタクシーなど乗り合いサービス(有料)を実施する方向で調整して行くなどの話し合いである。ボランティアのサービスは、個人的に「連れ添う」サポートに徹したい。
ここでもうひとつの壁が有る。「同乗者の安全」と「高齢者連れ添い」には、事故時の補償責任がある。これは車の同乗者保険や、ボランティア保険加入をしておくといい。また「高齢者連れ添い」は、連れ添いに資格があるほどに、高齢者の保健と安全への配慮が必要で、経験者や事前練習を必要とする。家族が同居や近隣在住の場合、家族の了解と状況報告をすることが必要だ。願わくば、地域包括支援センターや関連行政などに活動事例報告をしてくれると経験化しやすくなる。災害時は非常に忙しい役職であるので、文章メモ化して提供できるようにすると彼らが助かる。
元看護師や各心理士の方が連れ添いサポートをしてくださると、高齢者の今後の心身悪化の予兆がつかめる場合もあるので、その意味でも望ましい。生活支援ボランティアは、医療介護専門職の活動に出会ったなら、彼らに学べである。気付かない視点が必ずある。
(つづく)
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大雨浸水被害の常総市(茨城)に破傷風罹患者が出てしまった。
「常総市 破傷風に注意呼びかけ NHK茨城」だ。浸水や津波被害などの現場では、汚泥・古材などで怪我をして破傷風を発症する危険が高まることを、ブログで警告していたことが現実になった。古釘による負傷などが確率が高い。発症率は高いとはいえないが重篤化しやすいので、心に留め置きたい。
(参考)
●「常総市 破傷風確認で注意喚起 NHK首都圏NEWS」
●「破傷風 - Wikipedia」
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拡大読書機が水曜日に届くことになった。「よむべえスマイル」という手書き認識機能のある機種だが、画面モニターが付いていない。私がPC販売店で買って本機に接続しなくてはならない。2~3万円だ。私はPC操作もあるが、主に書籍を読むために拡大機能を用いる。読み上げ機能もあって、私が全盲になっても大丈夫なように練習できる。税金でいただくもの、大切に使う。
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「金曜災害ミニ・カフェ 10月分」ポスターが仕上がって、市社協と、ちがさきサポセンに掲示してもらった。番組予定は以下の通り。19時から1時間程度、茅ヶ崎サポセンにて。
10/9 ハートネットTVシリーズ「誰もが助かるために」
「第1回 避難 そのとき」 障害者避難等。
「第2回 避難所生活を支える」災害弱者避難等。
10/23 ハートネットTVシリーズ「誰もが助かるために」
「第3回 "生活不活発病"を防げ」高齢者避難。
話し合いましょう。
夜間傾聴:開店休業
(校正1回目済み)