2015/10/09 記
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県立鶴嶺高校のボランティア塾に参加してきた。マイクロFMの小型システムを持ち込んだ。しかし、普段、音楽を時間かけて聴くことを、酒とともに意識的にタブー化してきたため、昔の重いラジカセしか持っていなかった。このため電波確認のもう一台のFMラジオまたはラジカセをサポセンの知人にお願いして借りることになった。しかし古いラジカセは大きく重い。タブーとは、夜間傾聴で深夜出動することもあったからだ。まさか昼間、酒は飲めないし相手もいない。心、解放する音楽も、疲労と眠気を呼び出してしまうからだ。
とにかくシステムを指定された教室に持ち込んで驚いた。生徒の私物のカバンやら着替えやらが、机の上に散乱しているのだ。机を移動して輪になってすわるテーブルをつくる予定がみごとに吹き飛んだ。今までは視聴覚教室を使用してきたが、今年は何故か普通教室が与えられたのだ。私物をいじるわけにはいかない。苦肉の策で教卓の上にシステムを組み立て、話を終えたら教卓の周りに生徒を呼んでシステムを使って、立ち話だが放送をしてみることにした。
さてラジカセを壁のコンセントに接続する場面でショックを受けた。コンセントが教卓側にしかなく、電波確認のために設置する予定の借りたラジカセの電源コンセントがないのだ。学校は下見を許してくれない。サポセンのボラ塾担当者を仲介しないと学校側の担当の先生とも話が通らない状態だった。痛手だった。隣の部室から延長コードで引くことになり、20分がつぶれていった。
さてBGM用の音楽の出力は、ラジカセのイヤホーン出力端子を使うのだが、借りたラジカセを見て驚いた。イヤホーン端子がない!悲鳴に近かった。信じがたいことが起きていた。
BGMは諦めて、ラジカセを入れ替えて授業がスタート。と、ここでまた異常発生。借りてきたラジカセがぷつぷつと音を立てて放送を受信しない。電源の接点が切れ掛かっていたのだ。
事前に、家にFMラジオがあるひとは持参することと伝えてあったが、誰ももってこなかった。高校生世代はスマホ・SNSメールの世代、ラジオ自身が馴染みがない。災害の非常持ち出し品にFMラジオが指定されているが、日常では使わない消え行くメディアだから、ラジオ自身をもっていないのだ。昨年はMCを目指す子がいて、その子がFMラジオを持っていたのだ。
くらくらしたが概要を説明し、分科会参加のいきさつを各人にきいた。応答は「なんとなく」が一番、「車の中のカー・ラジオで」が二番。あとは返事がない。
まずいなと思いつつ、被災地・避難所でFMラジオがいかに被災者の耳になっているかを実例をあげて説明しだした。そこに巡回して様子を見にきた先生が、うしろのラジカセが故障していると、いじったので、突然のハウリング。完全に緊張の糸が切れて、見張りの先生が怒鳴ったので凍り付いてしまった。
気まずい感じの中、両隣の男女の生徒が助っ人に入ってくれて、「ラジオは、何かをしながらでもいいから、役に立つ」といってくれたし、もうひとりは対話相手になってくれて、完全凍結は避けられたということで終了の鐘。
準備していたものが、「コンセント」と「イヤホーンの穴」そして「私物の散らかった机」で、みごとに消し飛んだのだった。
来年もボラ塾はある。次回は借り物なし、視聴覚教室を希望することにし、感想欄に書き込んだ。
この後、3時間弱開いて「金曜災害ミニ・カフェ」だった。家に荷物を交換しに戻り、BDプレヤーをかかえてサポセンへ。ところが着いておどろいた。録画したBDディスクを持ってこなかったのだ。戻る時間が無い。ボラ塾の余波が来ていた。中止。
仏滅…カツ丼を食べてしまった。
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マイクロFMが、ミニFMや地域災害FMと一番違う点は、「顔がこのことと目に見える周囲の方々と対話を作って行くこと」だ。
私設マイクロFMが長続きしないのは「取材」しないから。話題が尽きてしまうのだ。インターネット放送局の無残さは、大半がこれが理由。
普段は「野球の実況中継」とか「病院のラジオDJ」などの使い道がある。(…しかし、「野球の実況中継」はインターネット放送も出来るなあ…と。普及している端末と、誰とネットワーキングするかという点。顔の見えるネット。SNSより、間と距離感の違いがある。)
最期に、「避難所FM」は入所被災者を対象にしている。疲れたり傷ついたりしているから、無神経な取材は禁物、先輩や大人をサークルのお守りに入れて欲しいというこのこと。
この辺をざっとまとめて話した。後味が悪い。
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石巻からメールが来た。石巻赤十字病院との接点の話。ちょっと今は、切り口が違う。どうしたものかと思案中。すぐに講師が来てくれる話ではないのだが。
夜間傾聴:ひとり(ぶじ、話し終えた)
(校正1回目済み)