錦帯橋の屏風のような城山の麓に吉香公園が広がる。そこは四季それぞれの風景や草木に季節の花、催しで賑わっている。公園といっても吉川家の居館跡、そして岩国高校や裁判所、梅林などのあった地域が整備され今の姿になった。
この公園を一望するのは城山ロープウエーからがお勧めだ。上るにつれてズームアップされる眼下の姿は「藩主でもあじわえなかった」見事な景色、足下の公園が我が家の庭のようにも思えひと時の優越感を覚え、俯瞰の面白さを味わう。
猛暑の今夏、公園中央の大噴水の下では子どもらの歓声を何度も聴いた。風に流されるしぶきは日陰で子どもを見守る母親らへ降りかかる。ちょっと童心に戻っていたかもしれない。
大噴水から国重要文化財の目加田家の白壁沿いかその目加田家屋敷を見学しながら通り抜けると、ロープウエー山麓駅に出る。目加田家はその由緒も価値あるが、二平葺(にひらぶき)といういう岩国独自の手法で入母屋造りの屋根が作られており、当時の藩の高い技術が偲ばれる。
これに隣接して天然記念物の白蛇観覧所がある。名前のとおり蛇の肌は白く目は血管を流れる血液が透けて赤く見え、神秘な姿をしている。白い肌になぜなったか。民話では白蛇が初めて発見されたのは米蔵の奥だった。そこで「米を食べ過ぎたから白くなった」という。科学の介入しないお話には夢が含まれていいものだ。
公園は桜の名所ともしても知られ、その季節、城山から眺めは絶景。その桜の中に日本で二番目に古いソメイヨシノの木が見つかり、名所の味わいをます。春が楽しみだ。
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