2012年8月25日 中国新聞「広場」掲載
岩国市の名勝・錦帯橋とその近くの吉香公園は、桜の名所としても知られ、その桜はソメイョシノで3千本といわれる。
そんな桜の中に日本で2番目に古い木のあることを知った。その木の周囲はロープで囲まれ、保護されている。
植えられたのは明治19(1886)年という。当時の写真と吉川家の元執事長の日記などから特定できたことを最近立てられた説明板に教えられた。
吉香神社周辺で4本確認した。今、それらの木の古い幹は剪定され、それを受け継いだ新しい幹が、葉を茂らせている。それを支える根は太く、何本も土の中へ伸びている。その姿は老木というより翁桜の風格を感じる。
日本一古い桜の木はどこにあるか。青森県の弘前城にあり、吉香公園の桜より4年古いという。本州両端の県というのは何かの縁だろうか。
明治以降の変革を見てきた長寿桜、これからも周辺の仲間とともに長く咲き続一けてほしい。心からエール一を送った。