かわせみの巣穴を発見。そこは蛇も近寄れないマサ土の急な斜面。巣には4羽の雛がいる。雄親は餌を運ぶ。雛が巣穴から出た。待っていた一瞬、シャッターを押す。毎日、巣穴へ通い、ようやく撮れたかわせみの雛、親鳥に負けない写真愛好家の気持ちが重ねて写しだされている。
写真が趣味という「3人展」は4回目で主題は「鳥」。その被写体は錦川流域からその河口という。被写体は同じでも狙いをどう変えるか苦労するけど、そこが面白いところと3人の話は一致していた。鳥は三脚や超長いレンズを使っては撮りにくい、そんな話も聞いた。
写っている鳥の習性を聞きながら見ると、写真の面白さが少しは分かる。最近、公園の鳩が減少したのはタカやトンビなど猛禽類の影響もあるという1枚は、自然の摂理ではあるが、たてられた爪の下でもがく鳩の声が聞こえる。蟹の爪を切り落として食する、そんな鳥の習性を1枚の写真から学んだ。
ミサゴが大きなチヌを電柱の頂上で食している。ミサゴは英語名で「オスプレイ」と呼ぶ。新たに配属される米海兵隊の新型輸送機はオスプレイ、展示会場からそう遠くない基地駐機場で試験飛行の準備がされている。オスプレイは来るな、その声は広まっているが、チヌを食するその面構えは確かに戦地向き、静かな街には似合わないと思わせる。
対象はなんであれ、鑑賞や観賞をするときその対象への知識の有無、特に芸術作品を深く味わい、その深さを知るには欠かせないことだ、改めてそれを教えられた3人展だった。