日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

平和の鳩

2012年08月06日 | 生活・ニュース
            

 今年も午前8時15分、広島平和記念式典の鐘の音にあわせ黙祷した。炎天下で手を合わせ頭を下げる人の姿にただ目線を置くだけの自分のふがいなさに少々いらだちながら平和宣言などを聞いた。

 あの日の朝、爆心から40キロあまりも離れた我が家に届いた稲妻のような真白い光線、何かと慄く。間をおかず聞こえてきたのは「ドドドドー」いう鈍い音。その音にあわせてガラス戸が「ビビィー」という音を発して振るえた。ピカドンと呼ばれたがその通りの恐ろしい新型爆弾投下の瞬間だった。5歳になる少し前だったが、あの光線と振動音は忘れていない。

 原爆投下のため模擬原爆で投下訓練をしていたという報道がある。その総数は分かっているだけで49個で、それによる犠牲者は400人になるという。この歳になっても戦争について知らないことはいろいろある。  

 庭に出ていた私のすぐそばに1羽の鳩が降りてきた。それは「今日は」と挨拶するほどの近くに。何か探すようにあちこちと動き回る。腰を降ろして眺める。数十センチくらいのところをひょこひょこと歩く。警戒している様子はない。足輪は付けていない。急いでカメラを手にした。後ろからついて歩いても、手を差し出しても飛び去る様子はなく、なにか特別な鳩のように感じる。数分間庭を歩き回っていた。自転車の急ブレーキの音と子どもの声に驚いたいて飛び去った。

 どこから来たのか1羽の鳩。8月6日という特別な日に人を恐れることなく庭を歩いてくれた。それは、お盆勤めのお寺さんが帰られた後だった。安穏とした世へのいざないの鳩だと思い込ませた。平和へのいい兆しになって欲しい、飛び去った鳩を見ながらそんなことを思った。   
 

コメント (4)
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