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日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

山あいの景色

2011年04月09日 | 地域
           

喧騒な街中を離れ山あいの細い道をハンドルを握りながら上り、そこの集落を回る。今度は反対側へ下りふもとの集落を抜ける。何度も同じ繰り返しをしながらたくさんの集落を回った。棚田やその法面などいたるところ黄色の絨毯を敷き詰めたように菜の花が迎えてくれる。風に揺れるその仕草はまるで手を振ってくれているようだ。

桜はほころび始めで見ごろはもうしばらく。そんな風景の中にゆるくたなびく白い煙が見えた。それは円錐形に盛り上げたもみ殻に似たものを燃している。作業にどんな意味があるのか分からないが、なんとのどかな景色だろう。

近くの田では赤い小型の耕運機が畑を掘り返し、真っ黒な土を春の日に出会わせている。農家はこれから忙しくなる。その初めの仕事が始まったのだろう。ひと月ほど前には雪が残っていたと聞かされた。

遠くの山が霞んで見える。この里にも春がやって来た。そういえばエンジンの音もなにか心地よく聞こえる。しみこんだ雪解け水が側の小川を流れていく。いつまでも残したい景色だ。人の故郷とはこんな単純な風景のなかにあるのかもしれない。

(写真:燃えるもみ殻からたなびく煙)
コメント (4)
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