日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

煮つけに涙

2011年04月02日 | 生活・ニュース
           

ずいぶん前に撮った漁港の写真を見ていて、東日本大震災のとき、海から町の中へ向かって流されていく漁船の映像を思い出す。潮が引くとビルの屋上や民家の屋根、道の中にも船が止っている。船と車が、船と船が重なりあいぶっつかりあってもいる。

これまで幾度も大津波で多くの家族や知人をうしなうなど、被災の経験をもつ三陸沿岸の皆さんも経験したことがないという今回の震災。その実像を知らされるにつれ言いようのない憤りのような感情が起きる。どうしてこの地だけを襲うのかと。

被災された方は「これまで経験がない」という未曾有の被害。穏やかな瀬戸内の海を常とする者には、その威力を図り知ることはなおのこと不可能だ。震災で被害を逃れた漁船が漁をし、獲れた魚が避難所の夕餉に煮つけとして届いた。食べ慣れた地元の魚に涙する顔が画面いっぱいに写った。

津波で姿を消した漁港、失われた漁船と漁具、原発事故で汚染された海、漁業の復興はいつになるのだろう。煮つけに涙した人たちの本当の笑顔が帰ってくる日、支援が続くことを願う。

(写真:静かな瀬戸内の漁港)
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