日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

被災児童の支援長く

2011年04月08日 | エッセイサロン
2011年4月8日 中国新聞「広場」掲載

東日本大震災の被害の大きさと深さに心を痛めている中、卒業証書を手にした児童らの顔に一筋の明るさを感じた。

 大きな揺れの後、押し寄せる山のような津波の恐怖、家族や多くの友を失った衝撃、住み慣れた町の無残な姿…。子どもたちには、あまりにも大きくて重すぎる現実だった。

 そんな中、避難所や土砂を除いた講堂、壊れた自宅でと、卒業証書授与の場所はいろいろだったが、証書を渡したいという学校と住民、親の熱い思いや願いが、かなえられた。

 避難という厳しい環境下で証書を手にした児童は、この喜びを決しておろそかにはしない。それは「復興へ立ち上がる力になる」という強い決意を話していることからうかがえる。

 「助かった命を大切にして故郷再興の力になる」。被災地で、そう誓う子らの新学期がはじまった。

 しかし、気の毒だが学習できる環境にはほど遠く、修復には長い時間を要するだろう。遠く離れた地からできるのは、息の長い支援を続けながら、力強く学んでほしいと願うしかない。
コメント (2)
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