![中年危機 (朝日文庫)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71i+c7n7YdL.jpg)
この本が『中年クライシス』というタイトルだったころから興味を持っていたが、山田太一の『異人たちとの夏』を読んだついでで、やっと読むことができた。
私はまさに中年だが、いまのところ身体的にも心理的にも大きく病気をしているということはない。が、気持ちの準備としていつか危機がやってくるかもしれないと思っておこうと思う。大江健三郎が『静かな生活』で「ピンチ」と呼んでいたが、いま思えば中年の危機だったのかもしれない。
危機といえば二十代の頃のほうが危機だったように思う。
夏目漱石が『門』と『道草』の二作品が取り上げられていて、再読したくなった。
志賀直哉が自分の浮気を題材にした一連のものを書いていると知らなかった。読んでみたい。
安部公房の『砂の女』は高評価だがほんとうにそんなにおもしろいのか。退屈しないのか。
大江健三郎が『人生の親戚』は少し前に読んだ。そんなにおもしろくはない。
円地文子、中村真一郎、佐藤愛子の作品は、手にも入りづらいが、いま読むに値するようなものでもないような印象だった。あまりにある時代を感じすぎる作品はあとから読めない。まだ歴史になっていないからか。テレビドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のノベライズを読んでいるような感じになると思う。