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『ABC殺人事件』

2023年05月15日 22時17分21秒 | 英語
『ABC殺人事件 The ABC Murders (ラダーシリーズ Level 4)』(IBCパブリッシング )を図書館で借りて読んだ。今回からLevel 4。
一度テレビドラマで見て話を知っていてしかもそのときおもしろいと思ったせいか、話がよくわかりおもしろかった。
最初にヘイスティングズというポアロの友人の語り手が、自分が語るが、自分がそこに居ないところも三人称で語りますと宣言していて、とても感心した。アガサ・クリスティーは誰が語るかということをすごく重要視していたのだろうなと思った。
そのようなことを何も宣言しないまま、いきなり一人称から三人称に語りが変えられる小説というものもある。村上春樹などもやっているように思うが、やはりちょっと違和感というか、どういうことなんだろうかと少しばかり思う。
アガサ・クリスティーの作品はLevel 4ではいくつかあるので、楽しみだ。
適度に省かれてこのくらいの短さになっていて、犯人がわかったらすぐに終わるというのは理想的だ。
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松浦弥太郎『仕事のためのセンス入門』

2023年05月14日 20時36分43秒 | 文学
松浦弥太郎『仕事のためのセンス入門』(筑摩書房)を図書館で借りて読んだ。
続けて松浦弥太郎を読みすぎたせいか、まったくおもしろくない。『センス入門』がおもしろかったので同じようにおもしろいかと思ったら違った。
だいたい一つくらいは感心するところがあるのが今回はぜんぜんなかった。
ぜんぜんというのは大げさかもしれない。以下のように、そうだなと思う部分もあった。
《自分が身につけたいことは習慣にするしかない。/どんなに一生懸命取り組んでも、身につけるには相応の時間が必要です。》(55頁)

しかし全体の印象として、コロナ禍を経験して、余裕がなくなっているのかなと思った。
《僕や一緒に仕事をしている仲間たちは、今日のためのルーティンや作業をこなしながらも、さまざまな情報を探し出し、未来を予測しています。》(130頁)
そんなところで働きたくないなと思った。
街を出歩いたり人と遭って話をしたりできなかったせいか、話が具体的じゃないなとも感じた。
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松浦弥太郎『いつもの毎日。』

2023年05月14日 14時40分17秒 | 文学
松浦弥太郎『いつもの毎日。』(ベストセラーズ)を図書館で借りて読んだ。
「おみやげ」という文のなかで、
《僕が思うに、贈り物としていちばんいいのはお花です。》(143頁)
とあり、これは決定的に意見があわないなと思った。
お菓子じゃなくてお花を持ってくる人を想像できないし、持ってこられたら「誰か死にましたっけ?」と思うくらいに違和感がある。
住んでいる世界が違うなと思った。
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松浦弥太郎『ご機嫌な習慣』

2023年05月13日 23時19分02秒 | 文学
松浦弥太郎『ご機嫌な習慣』(中央公論新社)を図書館で借りて読んだ。
表紙のグラノーラの写真に惹かれて読んでみた。
あまり印象に残らない本だったが「失敗について考える」という文章のなかに、
《失敗をしないということは、何ひとつチャレンジをしていないということに気がつかなくてはいけない。そんな人の行動は、すべて他を真似したことか、古い習慣、保守的で固い頭脳によるもの、もしくは同じことの繰り返しである。そりゃあ、失敗しません。》(51頁)
とある。
私は会社員をもう長年やっていて、三度ほど会社を変わっているが、会社組織が大きくなるほどこの傾向がある。誰も失敗したくないし、責任を取りたくないから誰も仕事をしない。
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ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活 (上)』

2023年05月12日 20時40分56秒 | 文学
ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活 (上)』(小学館文庫)を読んだ。
いつか読もうと思って買っていたがようやく読み始めた。
この文庫は下三分の一程度が空いていて、注が書いてあったり絵が描いてあったりする。ひろびろとしていて読みやすい。
あんまりおもしろくない本かと思っていたが、たまに鋭いことを言っていて驚かされる。
新聞なんか同じことが繰り返し書いてあるだけなので一回読んだら十分だ(大意)とか、良い本を読む人はほとんどいない。繰り返し同じことが書いてあるだけのくだらない本をみんな読んでいる(大意)とか、なかなかおもしろい。
たまに鋭いことを言う以外はどうでもいいような森の生活について書かれている。
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北杜夫『楡家の人びと 第一部』

2023年05月11日 23時45分22秒 | 文学
北杜夫『楡家の人びと 第一部』(新潮文庫)を読んだ。
関東大震災が起きて病院が倒壊するかと思ったらそんなことはなくて、そのしばらくあとで火事で焼失する。楡基一郎が死ぬ。
いまのところあまりおもしろくはない。おもしろくなりそうな気配もない。
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松浦弥太郎『今日もごきげんよう』

2023年05月10日 22時37分47秒 | 文学
松浦弥太郎『今日もごきげんよう』(マガジンハウス)を図書館で借りて読んだ。
1章「会いたい人がいる」は、私は知らない人で特に会いたい人ではないなと思い、読まなかったものがある。
2章「美しいとはなにか」の「夫婦喧嘩」はおもしろかった。松浦弥太郎が家では奥さんにどのように言われているかがわかりほっとする。ほっとするというのはよくないことであるが、やはりどこも同じだなと思い、奥さんにはひどい言われようもするということで安心してしまう。
「美しいとはなにか」では志賀直哉の話になる。
《志賀直哉が「朝顔」を書いたのは、七十一歳の時だ。当時、暮らしていた熱海の家のこと、そして庭に植えた朝顔と、そこにやってきた虻のこと、愛する孫娘と語らう日常といった、たったそれだけのことの描写に美しさが満ち満ちている。》(85頁)
ということらしい。
ちょっと読んでみなければならないだろう。
3章「僕が見つめていたもの」もまあまあ。

こうやって続けて読んでみるとやはり少し飽きてくる。
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大江健三郎のオススメじゃない本

2023年05月10日 20時04分34秒 | 文学
大江健三郎が亡くなって、書店に追悼コーナーを見かけるようになってきた。
系統立てて置かれているわけではなく、手当り次第にあったものが並んでいるだけのようで、「この間死んだノーベル賞のおじいさんだ。読んだことないからどれか読んでみよう」というひとが手にしてもどう考えても読めないだろうというものも多くある。
そこで、私が考える初心者にはおすすめしない大江健三郎を書いておく。まさに老婆心。
普通はおすすめの本を書くものだが、基本的に大江健三郎は初心者におすすめできるような本はない気がする。

1位『懐かしい年への手紙』
昔再読しようとしてなかなか見つからなかったことがあるのに、いまものすごく見かける。
タイトルはセンチメンタルな感じで初心者を誘うが、えんえんとギー兄さんとダンテ。

2位『燃えあがる緑の木』
ドストエフスキーらしきエピソードが続き、長くて退屈だった印象。

3位『同時代ゲーム』
私はこの本で「旋盤工」という言葉を知りました。「せんばんこう」です。

じゃあオススメは何だということで、一応書くと、
1位『静かな生活』
2位『個人的な体験』
3位『取り替え子(チェンジリング)』
かな。『取り替え子(チェンジリング)』は書店ではあまり見かけない。
小説以外で以下の二冊をよく見かけるがおもしろかった気がする。
『「自分の木」の下で』
『大江健三郎 柄谷行人 全対話 世界と日本と日本人』
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朝井リョウ『武道館』

2023年05月08日 23時07分01秒 | 文学
朝井リョウ『武道館』(文藝春秋)を図書館で借りて読んだ。
アイドルグループを題材にした小説で、昔テレビ番組「アサヤン」で見ていたモーニング娘。を思い出した。「有吉反省会」を思わせる番組も登場し、おもしろかった。
音楽にお金を払わないで聴くようになって、きちんと選んでいないので取り替えのきくような存在になってしまっているというような話があったが、確かにその通りだろうなと思う。CDからダウンロード、ちょっと聴くときはYouTubeやSpotifyで無料で聴くようになって、もともと音楽に対する愛情は薄いほうだが、ますます無くなった。アルバムを一枚分最初から最後まで聴くことがなくなり、コンビニでよく聴く曲だけを聴くようになってしまっている。
図書館で借りて読んで、お金を払っていないので、この本にも作者に対しても愛情が少ないような気はする。
お金を払うということは大事なことだと、この本を読んだからではなく、前々から感じている。
そういう話をずっと聞かせてもらえるのかと思っていたが、青春ラブストーリーのような話が中心で、私などには途中から少しつまらなく感じた。
以前から気になっていた『何者』と『スペードの3』もこの機会に読もうかと思っていたが、この感じであればやはり何かをちょっと我慢しなければ素直におもしろいとは言えないのだろうから続けては読まないでおく。
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中島岳志『学びのきほん 自分ごとの政治学』

2023年05月07日 17時12分43秒 | 文学
中島岳志『学びのきほん 自分ごとの政治学』(NHK出版)を図書館で借りて読んだ。
少し前の選挙のときに読んでみる気になって予約したのだと思う。
中島岳志の本はいくつか読んでいるが、だいたい毎回言っていることは同じだなと思う。
ガンディーの性欲の話は聞くたびに興味を惹かれる。
柳田國男の『先祖の話』は紹介されると興味を惹かれるのだが、読もうとすると難しくて最後まで読めない。
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