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☆内田樹「下流志向」感想

2008年04月26日 17時03分31秒 | 文学
下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち内田樹の「下流志向」(講談社)を図書館で借りて読んだ。
最近読んだ内田樹の本のなかでいちばんまとまっていて読みやすい。特に教育問題やニートの問題に限らず、内田樹の思想を知るためには最も手っ取り早い本なのではないかと思う。
レヴィナスの思想に影響を受けているという話だけれど、ベルクソンの思想にも影響を受けているんだな、と思った。
これまで彼の言う「無時間モデル」がどういうものかよくわからなかったのだけれど、ベルクソンの言う等質的な空間ということなのかな。
《「もうニートになった人」については、その人権を守る方途を考え、「これからニートになりそうな人」には「やめた方がいいよ」と説得する。》(p.209)
こういうバランス感覚は忘れたくないなと思った。
この間、テレビ番組「アメトーーク!」を見ていたら、アニメの「エヴァンゲリオン」についての話をしていた。僕は見たことはないのだが、話を聞いていてなるほどと思ったのは、
・1番目と2番目を抜かして、3番目の敵から登場すること。
・いま「敵」と言ったが、敵かどうかも目的もわからない存在であるということ。
の2点だ。
この本を読んでいて内田樹が、ゲームはすでに始まっていて自分は遅れて参加するんだということを何度か言っていて、「エヴァンゲリオン」はそういう話なんだろうな、と思った。
生きていくというのは、すでに始まっていてルールもよくわからないゲームに、遅れて参加して、みんながやっているのを見てこういうことかな、と考えながら自分なりにやっていくことなんだ。
師弟関係の話も、何度も聞かされるうちにそういうもんかと思ってくる。
おもしろかった。

今日テレビを見ていたら、松平健が料理をする番組の最後に、彼の使っているのと同じフライパンを売っていた。テレビショッピングも兼ねた番組になっていた。
最近テレビ番組をハードディスクに録画してCMを早送りして見るから宣伝効果があまりないという話をよく聞くが、番組内で宣伝するという方法が今後さらに広まるかもしれないと思った。
ジム・キャリー主演の映画「トゥルーマン・ショー」は、主人公の生活が彼に内緒で世界にテレビ放送されているという話なのだがそのなかで、ココアかコーヒーかを主人公に飲ませる前に宣伝文句を言ってから飲ませるというシーンがあった。
「おはようからおやすみまで、暮らしを見つめるライオンの歯磨き粉で歯を磨いてきます」などど、くどい台詞の多発するテレビドラマがそのうち登場するのかもしれない。
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☆「逆立ち日本論」読みました

2008年04月26日 00時00分04秒 | 文学
逆立ち日本論 (新潮選書)なんにも考えずに読める気楽な本が読みたくて、養老孟司と内田樹の対談本「逆立ち日本論」(新潮選書)を図書館で借りて読んだ。
ふむふむ、ふーん、また同じこと言ってるな、といった感じで読み終える。
養老孟司は全共闘と姉歯とホリエモンとNHKの悪口を言い続ける。そこが可笑しい。
内容は予想通り、何にも考えず気楽に読める本でした。
だからあまり憶えてません。
内田樹は好きなんだけど、養老孟司の「結局どーでもいーんだよね」という感じもわりと好きだ。しかしやはり買って読もうとまでは思わない。読んでハッとするようなことがあまりない。

もうここ数年なんだけど、ことあるごとに糸井重里は最強なんじゃないかと感じる。糸井重里が誰かを嫌っているとか、誰かに嫌われているとか、喧嘩したとか聞いたことがない。まったく嫌な感じがしない。
言っていることが論理的に正しいかどうかよりもこんなひとになりたいかどうかでひとを判断するようにしている。そもそも論理的に正しいかどうかは僕にとってはどうでもいいことで、気持ちのいい散文であればそれでいいと思っている。
対談を読んでいて結局僕は、ゆるくていい加減で理屈なんかどうでもいいと思っていそうなひとが好きなんだなということを再認識した。
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