![下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち](http://ec3.images-amazon.com/images/I/41tUoLhQjML.jpg)
最近読んだ内田樹の本のなかでいちばんまとまっていて読みやすい。特に教育問題やニートの問題に限らず、内田樹の思想を知るためには最も手っ取り早い本なのではないかと思う。
レヴィナスの思想に影響を受けているという話だけれど、ベルクソンの思想にも影響を受けているんだな、と思った。
これまで彼の言う「無時間モデル」がどういうものかよくわからなかったのだけれど、ベルクソンの言う等質的な空間ということなのかな。
《「もうニートになった人」については、その人権を守る方途を考え、「これからニートになりそうな人」には「やめた方がいいよ」と説得する。》(p.209)
こういうバランス感覚は忘れたくないなと思った。
この間、テレビ番組「アメトーーク!」を見ていたら、アニメの「エヴァンゲリオン」についての話をしていた。僕は見たことはないのだが、話を聞いていてなるほどと思ったのは、
・1番目と2番目を抜かして、3番目の敵から登場すること。
・いま「敵」と言ったが、敵かどうかも目的もわからない存在であるということ。
の2点だ。
この本を読んでいて内田樹が、ゲームはすでに始まっていて自分は遅れて参加するんだということを何度か言っていて、「エヴァンゲリオン」はそういう話なんだろうな、と思った。
生きていくというのは、すでに始まっていてルールもよくわからないゲームに、遅れて参加して、みんながやっているのを見てこういうことかな、と考えながら自分なりにやっていくことなんだ。
師弟関係の話も、何度も聞かされるうちにそういうもんかと思ってくる。
おもしろかった。
今日テレビを見ていたら、松平健が料理をする番組の最後に、彼の使っているのと同じフライパンを売っていた。テレビショッピングも兼ねた番組になっていた。
最近テレビ番組をハードディスクに録画してCMを早送りして見るから宣伝効果があまりないという話をよく聞くが、番組内で宣伝するという方法が今後さらに広まるかもしれないと思った。
ジム・キャリー主演の映画「トゥルーマン・ショー」は、主人公の生活が彼に内緒で世界にテレビ放送されているという話なのだがそのなかで、ココアかコーヒーかを主人公に飲ませる前に宣伝文句を言ってから飲ませるというシーンがあった。
「おはようからおやすみまで、暮らしを見つめるライオンの歯磨き粉で歯を磨いてきます」などど、くどい台詞の多発するテレビドラマがそのうち登場するのかもしれない。