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日本貿易会「2015年アジアの未来」;東洋経済新報社

2006年08月10日 | 「Weekly 読書感想」
 入院10日目。読了、アジアの近未来に思わず暗然とした。2010年の北京オリンピック、12年の上海万博後の荒廃した15年の上海市街をあたかも実況の如くリアルに描く巧みなエピローグ。海洋博後の沖縄の荒廃を思い起せば決してこれは妄想ではない。 貧富格差拡大、大気汚染、水不足、資源高騰、増大する産業廃棄物、人口減少と老齢化、共産党独裁と隠蔽体質等々、中国に代表されるこれらリスクはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)全てに共通し日本はその影響から逃れることは出来ないと書けば、そんなこと皆な知っていると言うが、これは週刊誌的中傷記事ではなく、何より物産、住商、丸紅、双日、伊藤忠等名立たる商社の少壮中堅スタッフがその実務見聞と豊富な科学的資料データに基づき研究・討論の結果を纏めてものだから圧倒的臨場感と迫力がある。  各商社を代表する著者達はこれらのリスクを直視し、それに対する日本の対処と役割を以下提言する。曰く、①アブソーバー市場とし、②大国間のバランサー。③イノベーションセンターとして、④ベンチャーリスクマネー供給者として、⑤日本企業モデルのアジアへの展開、⑥アジア中間層へのコモデティー供給役。そしてその主たる担い手が商社と位置付けるのは止むを得ないが、近い将来へのこうしたアジア(即ち日本)の危機を思うと、IT業連携もこうしたマクロなトレンドでよほどしっかり見つめ直す必要を感じた。それにも増して、靖国問題等に拘らず早急に中韓両国と友好連携への努力をすべきとの思いを強く抱かされた。  入院見舞いに差入れ頂いた4冊の中、先月刊行されたばかりの本書、少しオーバーに言えば、今回入院の最大余得とも言おうか。梶山社長!感謝です。 

2015年アジアの未来―混迷か、持続的発展か

東洋経済新報社

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2 コメント

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久しぶりのブログ拝見 (仲宗根)
2006-08-10 21:29:05
お久しぶりです。

メルアドを変更してから、ブログの更新のお知らせが届かなくなりました。

それで今、重田さんのブログを確認していると、何と入院10日目!という文字が...びっくりしましたが、ブログ履歴を見て安心しました。

さすが、経営者だけあって、病院の雰囲気からも学ぶ点があるとは...ブログも病院から更新しているとは...本当に関心させられます。

仕事病ですね。夏休みで娘が沖縄に行っているので、なつこの会や、その他セミナーがあれば参加してみようかと思っていました。自分で調べてみます。

次回お会いできるときは退院祝いですね。

それではお大事に!

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アジアの中の日本 (柴田)
2006-08-12 10:51:53
以前、下流社会 という書籍がランク上位にありました。

格差が激しくなると犯罪もかなり増えてくるのは誰もが予\想されるのではないでしょうか。

それより、とってもびっくりしたのが今の10代の子供達のエイズが爆発的に広がっている!!

これは、あるジヤァーナリストの方から先日直接聞いたばかり、そしたら、兄の友人の方もその話し別のところできいたそうです。

エイズは日本が一番らしいし、流産、奇形児はベトナムの次の世界2位だそうです。

ひょとしたらアジアの中の日本が一番ヤバイかも~?



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