”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

再 岩井克人「会社はこれからどうなるのか」(平凡社) その2

2003年11月28日 | 「Weekly 読書感想」
 先般の感想メールに対し、追って明大政経学部の学生さんや経済学専攻の中大大学院生からもコメント貰った。これはゼミの議論みたいでシンドイことになったという思いですが、宣言したからには以下継続発信です。

 誤解を恐れず端的に言うなら、本書でいう「法人名目説」とは、社長も社員も株主利益実現のための手段であり、「法人実在説」とは、会社は人と同じく他に対する手段ではなく存在そのものが価値あるのだから、組織存続自体が意味を持つということになる。

 道路公団や外務省はどうかというと、彼らはユーザーである国民福祉の手段であり、「公団のための公団」でも「外務省のための外務省」でも、あってはならない。
 では会社は「我社のための我社」であっていいかという議論になりますが、両者にはその存在基盤に大きな違いがある。
 会社は絶えず市場と顧客の厳しい競争と評価・選択にさらされ、利潤を上げない限り存続出来ないのに対し、公団や外務省は規制と税金に守られ存続できる。

 終身雇用制や年功序列制が崩壊しつつある昨今、サラリーマンの間では、現在所属する会社でしか通用しない社内ノウハウや組織慣行などの「組織特殊人的資産」(Organization Specific)は排除されるべきで、どこの会社でも通用する「一般的能力資産」(General Purpose)こそ蓄積すべきという価値観が広がっている。
 しかし著者は、企業にとってその会社特有の「組織特殊人的資産」こそ会社のノウハウであり、またコア・コンピテンス(核となる競争力)であり、それを持続的に養成するべきという見解である。

 本書の宣伝文句にある「これから就職する若い人たち」は、ここを読んでどう思うだろうか。
 著者も、その終章で若い起業家にエールを送っているが、どうも迫力がなく統一感もない。宣伝文句にも拘らず、著者の本音では、これから就職する若い人向きには決して書いていないように思う。
 現に、ベンチャー起業家を紹介する一方、成功の確率の高い起業家の特徴として
   (1) 30台後半から40台前半
   (2) 中小企業経験20年以上
   (3) 3000から4000万の自己資金
  とする実証見解を紹介している。

 ビル・ゲイツやソフトバンクの孫氏等は例外中の例外として、学生ベンチャー起業などは強く推薦しておらず、むしろ懐疑的なような印象を受ける。
コメント

養老孟司「バカの壁」(新潮新社)

2003年11月27日 | 「Weekly 読書感想」
 本書を読んだ人がすべて自分のことと思うらしい。
人は同じ文章や事象に接しても読みたいように読み、感じたいように感ずることを嫌と言うほど思い知らされる。
 客観性というのは果たしてあるのかという疑念さえ湧く。著者も客観性を売り物にしている朝日やNHKのスタンスに大いに疑問符を呈している。

 私事で恐縮だが先年逝去した実母の日曜早朝の掃除機の騒々しい音に私は「お袋、頑張っているな」と思っていたら、女房は「私に当てこすりにわざと音を立てている」の言うのを聞いて呆然とした記憶がある。母の真意は本当のところどうだったのか。
 数年前からあるボランティアー組織の会長を引き受けているが、会員同士が同じメールや事象に接しながら全く別の受け取り方をするのに今さらながら驚かされる。かく言う私自身が発言者の趣旨をほとんど自分に都合よく聞きたいように聞いて皆さんに呆れられる。外の人が見えているのに私には全く見えないことがある。しかし反面、誰が言ったか“知らぬは仏“とはよく言ったものだと思う。
 
 個性尊重という日本の教育やオカルト的な新興宗教への傾斜、北朝鮮報道のあり方等を脳生理学的アプローチから論及する本書は文句なく面白い。以 上
コメント

再 岩井克人「会社はこれからどうなるのか」(平凡社) その1

2003年11月27日 | 「Weekly 読書感想」
 今週アップした本書に関するメールを読んで、早速購入して読み始めたとか、よく分からないからもっと詳しく、というコメントをいくつか頂いたので、改めて3回に分けて感想をお送りします。
 長くなりますので、煩わしい方は勿論削除頂いて結構です。

 本書は「これから就職する若い人に」とか、糸井重里が帯に「中学生でもわかること。おたくの社長の知らないこと」とかトンチンカンなことを喧伝しているが、これは現時点での経営学のカレントなテーマや水準を分かりやすく書いた、経営学説史とか会社生態学と呼んでもいい名著だと思う。

 会社特有のカルチャー等も含めて会社のコア・コンピテンスとするなら、イトーヨーカ堂の店長会議や松下の社歌斉唱朝礼、マイクロソフトのビールパーティー、リクルートの社員顕彰祭もそうなる。
 そしてこれらを構築・蓄積する社員を「組織特殊的人的資産」と呼び、日本的慣行として排撃されつつある終身雇用制や年功序列賃金制を、社員定着のためのインセンティブ、いわゆる社員を引き止める「黄金の手錠」(Gold Handcuff)としてその有効性を説いている。
 その他、信任受託者としての経営者。その「忠実義務」は会社法で「注意義務」は民法という強制法規で規制されるのに対して自己利益追求の「契約」は任意法規等々の指摘。株主利益実現の会社概念は「法人名目説」とし、組織存続成長の会社概念は「法人実在説」など、なるほどと思う。

 実は、慶応や一橋ならいざ知らず、東大の先生に会社論議を聞きたくないと思っていましたが、本書を読んで、やはり学者は凄いと心底思ったり、学問はやはり面白とも思いました。
コメント

養老孟司「バカの壁」(新潮新社)

2003年11月26日 | 「Weekly 読書感想」
 本書を読んだ人がすべて(ウチアタイ)自分のことと思うらしい。

 人は同じ文章や事象に接しても読みたいように読み、感じたいように感ずることを嫌と言うほど思い知らされる。
 客観性というのは果たしてあるのかという疑念さえ湧く。著者も客観性を売り物にしている朝日やNHKのスタンスに大いに疑問符を呈している。

 私事で恐縮だが、先年83歳で逝去した実母の日曜早朝の掃除機の騒々しい音に私は「お袋、頑張っているな」と思っていたら、女房が「私に当てこすりにわざと音を立てている」と言うのを聞いて呆然とした記憶がある。
 女房は私の母と10年同居し最後を見取り、今また80歳の実母を金沢から引取り介護センターで看ている。
 生来我侭だった私の母のあの朝の真意は、本当のところどうだったのか。

 数年前からあるボランティア組織の会長を引き受けているが、会員同士が同じメールや事象に接しながら全く別の受け取り方をするのに今さらながら驚かされる。
 かく言う私自身が、発言者の趣旨をほとんど自分に都合よく聞きたいように聞いて皆さんに呆れられる。外の人が見えているのに私には全く見えないことがある。
 しかし反面、誰が言ったか“知らぬが仏“とはよく言ったものだと思う。極楽トンボか。

 個性尊重という日本の教育や、オカルトや新興宗教への傾斜、北朝鮮報道のあり方等を脳生理学的アプローチから論及する本書は蒙を開いてくれる。
コメント

「第19回 ナハマラソン 出場断念」

2003年11月11日 | 「マラソン挑戦」
 今年12月7日の第19回ナハマラソン申込が締め切れられた。

 今年2月より頚腕症候群に悩まされ、過激なトレーニングはドクター・ストップを掛けられていた。それでも毎週末に近くのトレーニングセンターで小1時間・月間伸べ5キロ弱のセンターマシン・ジョギングを続けていた。 月間50キロ弱の週末トレーニングではそもそも42キロの完走は無理で、せめて摩武仁の平和記念館のハーフ地点まででも、と思っていた。

 先週、半年振りに自宅から大宮氷川神社までの往復10キロを1時間ほどロード・ジョギングした結果、「まあまあ行けるかな」と思ったが、翌日から翌々日にかけて、両肩から右頚腕(そう、左から右に痺が移動しています)にかなりの不定愁訴がぶり返し、最終的にマラソン・エントリーはとても無理と判断した。

 大会前日6日の土曜日には社員の結婚式もあり、今回で50歳の時以来12年間続いたフルマラソン出場記録は途絶えた。
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朝吼夕嘆

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