本書は東大出版会、吉川弘文館、青木書店等11出版社が特別企画として、2003年共同復刊した43点の一冊。
初刊の1987年には、丁度国体開催直前の沖縄で「日の丸」引き降ろしや焼却事件が多発した。
なぜ沖縄でこうした事件が多発したのか、一ツ橋大学教授の編者他6名の研究者が、他府県在住者向けにその背景と原因を明らかにするために著した、いわゆる「歴懇もの」。
沖縄戦の具体的戦闘状況に止まらず、日米両軍の編成や作戦展開図、司令部内部の対立等を検証する一方で、当事の日本軍が沖縄県民にいかに暴虐な仕打ちを行い虐殺したか、具体的事例を紹介している。あまり知られていないが、およそ1~2万にも上る朝鮮人軍夫と慰安婦達の、沖縄での過酷な運命についても記されてる。
「軍隊はいざという時に住人の命を守らない」と批判されるが、軍隊が守るのは軍中枢機能であり国家統治機能である、という見地に立つと、足手まといの住民は二の次になる。
その証拠に、戦時中に波照間や渡嘉敷、久米島諸島で住民を虐殺したと言われる当時の隊長や指揮官が、住民から報復を受けてもおかしくないにもかかわらず、戦後何度か現地を訪れている。これは、彼等は使命を果たしただけで、さしたる罪悪感を持っていないことを示しているのではないか。
本書では、一部で人格者として称揚されている、自決した牛島陸軍司令官に対しても、県民の生命に配慮を欠いていたとして、肯定的な評価をしていない。
戦後、奄美大島から沖縄に渡航した私の小中学校のクラスには、両親がいなかったり、家族を亡くした同級生が必ずいた。彼等の顔を思い出し、辛かった。
初刊の1987年には、丁度国体開催直前の沖縄で「日の丸」引き降ろしや焼却事件が多発した。
なぜ沖縄でこうした事件が多発したのか、一ツ橋大学教授の編者他6名の研究者が、他府県在住者向けにその背景と原因を明らかにするために著した、いわゆる「歴懇もの」。
沖縄戦の具体的戦闘状況に止まらず、日米両軍の編成や作戦展開図、司令部内部の対立等を検証する一方で、当事の日本軍が沖縄県民にいかに暴虐な仕打ちを行い虐殺したか、具体的事例を紹介している。あまり知られていないが、およそ1~2万にも上る朝鮮人軍夫と慰安婦達の、沖縄での過酷な運命についても記されてる。
「軍隊はいざという時に住人の命を守らない」と批判されるが、軍隊が守るのは軍中枢機能であり国家統治機能である、という見地に立つと、足手まといの住民は二の次になる。
その証拠に、戦時中に波照間や渡嘉敷、久米島諸島で住民を虐殺したと言われる当時の隊長や指揮官が、住民から報復を受けてもおかしくないにもかかわらず、戦後何度か現地を訪れている。これは、彼等は使命を果たしただけで、さしたる罪悪感を持っていないことを示しているのではないか。
本書では、一部で人格者として称揚されている、自決した牛島陸軍司令官に対しても、県民の生命に配慮を欠いていたとして、肯定的な評価をしていない。
戦後、奄美大島から沖縄に渡航した私の小中学校のクラスには、両親がいなかったり、家族を亡くした同級生が必ずいた。彼等の顔を思い出し、辛かった。