”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

リルケ「マルテの手記」(岩波書店)

2003年01月15日 | 「Weekly 読書感想」
 古今多くの文学青年達に大きな影響を与えたと言われる本書。 まあ、私も格好付け本書を手にした。それも青春の遥か昔。内容をあまり覚えていない。

 何か腺病質な青年詩人がジトジト雨の降る梅雨のパリの一部屋にこもり煩悶・懊悩している印象しか残っていない。勿論、地中海気候のフランス・パリにアジアモンスーンの梅雨時期があろうはずがないのですが。

 所詮、私は詩人や文学青年ではないことを思い知らされた一冊でした。今も私の本箱の奥に文庫版がひっそり納まっている。
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小島政二郎「眼中の人」(岩波文庫)

2003年01月03日 | 「Weekly 読書感想」
 これは面白かった。 高校か大学の頃「オール読物」や「小説新潮」で著書の作品を 2~3読んだ記憶から私はとんでもない間違いだったが著者は遠藤周作、小島信夫、安岡章太郎、吉行淳之介等いわゆる「第三の新人」の一人で中間小説ないしは大衆作家の一人だと思っていた。ところがこの本に先立って読んだ書評から著者が芥川竜之介や菊池寛、久米正雄と同時代人と分かって驚いた。もっとも著者は100歳平成6年まで長寿したのだから文学音痴の私の誤解も無理ないだろう。

 そもそも「眼中の人」などという言葉は無く、「眼中に無い」から著者の造った語だろう。要するに同時代の菊池寛を指しているのだが、生涯遂に越えることが出来無かった芥川や菊池という天才を同時代の友人に持った幸運と不運、愛憎を率直に書いている。

 本書の面白さは「私は上野の呉服屋、芥川は田端、菊池は小石川、佐々木茂索は牛込矢来に住んでいた」というまるで狭いサークルのような大正文壇の雰囲気が伝わってくることだ。ちょっと驚いたのは児童文学「赤い鳥」で有名な鈴木三重吉が今なら確実に警察沙汰になるほどの夫人に対する凄いDV加害者だった点だ。因みに未だ中学時代に見初めた小島の最初の夫人はその三重吉夫人の妹だ。
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プルースト「失われた時を求めて」

2003年01月03日 | 「Weekly 読書感想」

 入学当初の大学生というものは程度の差こそあれそれぞれの出身地方や高校のエリート同士で出会い頭に気負いと衒気をいっぱいに、お互いを値踏・打診しながら背伸びしつつ議論する。その結果優越感を持ったり劣等感を抱いたりする。私のクラスにもカミュやカフカ、プルースト等を得意になって議論する者がいた。

 下宿に帰り慌ててカミュやカフカを手にした。さすがに「不条理」を得意になって議論する気はなれなかったが「審判」の不気味さは印象に残っている。

 サルトルは未だしも当然のことながらボボワールの「娘時代」や「第二の性」は人並みに読んだ。しかしプルーストとなると遂に手が出なかった。「失われた時を求めて」はいつか挑戦したいと思う一冊というお話。

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朝吼夕嘆

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