”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

照屋輝一「化学雑考」(私製本)

2003年06月13日 | 「Weekly 読書感想」
 前掲の「やぶにらみ人生訓」に続く“工業バカ”を自称する著者の私製本。

 唸ったのは美貌の夫人セピアは夫が十字軍遠征から帰還するまで貞淑の証として脱がなかった肌着が汗と赤で褐色になり、これを人々は「セピア色」と賞賛したという謂れの紹介。十字軍に絡む貞操帯は聞いたことがあるがこれは知らなかった。また、服を薬用に煎じて飲んだことから「服用」という用語が発生したという類のいかにも化学者らしいエッセイが多数ある。
 「錬金術」に関する部分は平野啓一郎「日蝕」を思い出し楽しかった。

 前著と並んで全ページに鮮やかなカラーフォート・コンテントを張り、いかにも著者が楽しそうに手ずから作っている。本の原点を見る思いだった。
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照屋輝一「やぶにらみ人生訓」(私製本)

2003年06月13日 | 「Weekly 読書感想」
 著者は私の同期で高校時代から名前の通り輝き続けている秀才。元沖縄県工業センター所長で工学博士。退官を期にお子さんや後輩へのメッセージとして手ずから作成した私製本。

 まず「“そうして来た”というだけでなく“そうしたい、そうあるべきだ”」という書き出しが良い。印象に残った箇所は“とことん考えると夢に解答 が出る”という「混合電解質」に関する著者の学位論文作成時のエピソードと教訓。文科系の私には味わったことのない工学系研究者冥利に羨ましくも感嘆した。

 可笑しかったのは同期一,二を争う同期の明眸美人とゴールインした著者が「恋愛より見合い。出会えなければ一生独身でも」という結婚を論じた部分。流石の怜悧な分析頭脳も男女間に関してはリアルティーと説得に欠いているように思えた。
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杉本栄一「近代経済学の解明・上下」(理論社)

2003年06月09日 | 「Weekly 読書感想」
 “学生時代もっとも感動した本はなにか?”と聞かれたら“勿論それはマルクス・エンゲルス「ドイツ・イデオロギー」あるいはヒルファーデイング「金融資本論」”と格好を付けたいのですがどうもそうは言い切れない。やはり一番知的興奮を覚えたのは丸山真男の著作だったか。

 それ以外に今でも印象に残っているのが名著で名高い本書。その道の泰斗が初心者向けに推敲に推敲を重ね分かり易く書いているのがひしひし伝わって来た。この本に啓発され自分なりに経済学書をずいぶんに読んだ。挙句文学部ながら「西洋経済史」という卒論を書いた。
 現在、岩波文庫でも絶版になっており、再刊要望の声も上がっているという。

 福沢諭吉が「福翁自伝」(「学問のすすめ」だったか)を書く時、年老いた母親に読んで聞かせ「分からない」という部分は老母が「分かる」と言うまで平易に書き直したというが、その努力を思い出せるほどに本書は一般に難しい経済学を分かり易く説いている。名著と言われる所以だろう。機会があったらもう一度読みたいと思うほど忘れることの出来ない一書だ。
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朝吼夕嘆

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