前掲の「やぶにらみ人生訓」に続く“工業バカ”を自称する著者の私製本。
唸ったのは美貌の夫人セピアは夫が十字軍遠征から帰還するまで貞淑の証として脱がなかった肌着が汗と赤で褐色になり、これを人々は「セピア色」と賞賛したという謂れの紹介。十字軍に絡む貞操帯は聞いたことがあるがこれは知らなかった。また、服を薬用に煎じて飲んだことから「服用」という用語が発生したという類のいかにも化学者らしいエッセイが多数ある。
「錬金術」に関する部分は平野啓一郎「日蝕」を思い出し楽しかった。
前著と並んで全ページに鮮やかなカラーフォート・コンテントを張り、いかにも著者が楽しそうに手ずから作っている。本の原点を見る思いだった。
唸ったのは美貌の夫人セピアは夫が十字軍遠征から帰還するまで貞淑の証として脱がなかった肌着が汗と赤で褐色になり、これを人々は「セピア色」と賞賛したという謂れの紹介。十字軍に絡む貞操帯は聞いたことがあるがこれは知らなかった。また、服を薬用に煎じて飲んだことから「服用」という用語が発生したという類のいかにも化学者らしいエッセイが多数ある。
「錬金術」に関する部分は平野啓一郎「日蝕」を思い出し楽しかった。
前著と並んで全ページに鮮やかなカラーフォート・コンテントを張り、いかにも著者が楽しそうに手ずから作っている。本の原点を見る思いだった。