”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

外間守善「沖縄学への道」(岩波現代文庫)

2004年03月30日 | 「Weekly 読書感想」
 その道の学徒にはどうということの無い入門書だろうが、文庫本ながら柳田国男、折口信夫、服部四郎、鎌倉芳太郎、伊波普猶、比嘉春潮、金城朝永、湧川清栄等歴代の沖縄研究家の足跡と位置付けが網羅され、今の「沖縄学」位相が判り面白かった。

 安謝中2年の時、副読本として手にした仲原善忠著「琉球の歴史」の背景や先頃「西銘誌」を刊行した久米島が「仲里旧記」他古文献の宝庫であること。宮古狩俣の神歌収録や久高島神歌の「ビンヌスイ」鳳凰の解明エピソード等興味尽きない。

 慶良間、波照間、来間の「ま」が方向を示すことは判ったが、我が故郷の加計呂麻の「ま」は何故「間」でなく「麻」なのか。そういえば故郷の人が「加計呂麻」と自称するのを聞いたことがなく、後年奄美を出てから「へー、我が島は加計呂麻というのか」と奇異に感じたものだ。沖縄の人達が「我々琉球人」と自称しないのとどこか似ている。「勝手に人の名前付けるなよ」と言いたいのだが。

 日琉同祖論や天皇相対論、汎アジア論等沖縄研究のイデオロギーは時代によってベクトルが変わる。古事記と違って天皇に殆ど触れていない「おもろそうし」研究家の著者が事ある毎に皇室を称えるのを疎ましく思う筋もあり“世評”を気にするなら明らかに損と思うが、学習院以来の秋篠宮妃との師弟関係の方を大事にしているのか。

 書中、他を論難する箇所がほとんど無く、それだけに先達にも愛される人柄故か貴重な文献資料を託される機会にも恵まれている。ともあれ、最近砂を噛むような難儀な本ばかりに挑戦していたので、本書は楽しかった。
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「美ら島沖縄大使」拝命

2004年03月28日 | 「美ら島沖縄大使」便り

 このたび、全国に在住する沖縄に縁のある77名の方々と共に「美(ちゅ)ら島沖縄大使」に任命された。他府県では鹿児島県の「薩摩大使」や埼玉県の「彩の国大使」、「北海度大使」等が有名。
 沖縄には沖縄駐在のれっきとした外務省の公的沖縄大使がいるからそれと区別するために「美ら島沖縄大使」としたのだろう。

 機会ある毎に沖縄を発信PRし、観光や企業誘致等にボランティア活動する役割。沖縄にキャンプを張る星野元阪神監督はじめ大半は沖縄に駐在したことのある本土出身者だが、「ちゅらさん」の国仲涼子さんや「涙そうそう」の夏川りみさん等沖縄出身者もいる。先週稲嶺知事から一人づつ直接任命状を頂いた。

 77名は「玉石混交!」と揶揄する人がいたので「私は石?」と尋ねたら、「いや、重田さんは宝石」と。「何をしたらいいんですか?」と尋ねたら「いや、重田さん、これまでと同じく」と言われたので、今後とも新橋や赤坂の沖縄出身ママの店にお客を連れて行き、元気印の沖縄の女性をUPしたらいいのかと納得。

 冗談はともかく、この夜、那覇高12期の同期20余名が北海道沖縄クラブ会長の八木君と二人のため激励・慰労会を持ってくれたのが何より嬉しかった。
 同期並びにご推薦頂いた県庁の皆さん、ありがとうございました。それなりに頑張ります。この場をお借りして御礼申し上げます。了




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水村節子「高台にある家」(ハルキ文庫)

2004年03月15日 | 「Weekly 読書感想」
 日本経済新聞に日曜欄に東大経済学部長で「会社はこれからどうなるか」の著者岩井克人夫人である作家水村美苗氏がコラム「読書術」を連載していた。そのエッセイの中で「ある女」の葉子と「痴人の愛」のナオミに触れ、二人ながらどうしようもない自己中心的な我ままな女と書いている。これを読んで意外な感じがした。

 水村氏の母親が80才近くなって「高台にある家」を著し、その母(つまり美苗氏の祖母)が芸者で妾、正妻として二人の男との間に子をもうけ、さらに40半ばに25歳下の息子の家庭教師と駆け落ちし、出来た子供が水村氏の実母だったという「恥多い出生」の秘密を書いている。しかも美苗氏のその母が祖母同様に異郷にあって著者と姉を置いて若い男性と出て行き、残された姉が男性の間を彷徨し、自身は小説に耽溺して行く様をその著書「私小説」で書いている。こうした母親と祖母を持つ著者であればこそ男性作家同様女性について単純に片付けるのが物足りない。
 私の周りにも若い男と出奔した母を持つ女性がいた。時の経過と共に単に奔放と片付けられない母の豊かな内的世界や煩悶が理解出来て来るが、父や家族を傷つけた母への思いは愛憎相半し、癒えることはない。

 そうした例を見ているだけに、男性から見て蟲惑的で十分魅力的な葉子とナオミも女性が書いたら、単に本能に反応するだけの爬虫類でなく、自分の性情に悩む彼女達の内面、自身への忠実と社会的存在の間で葛藤・懊悩する人間としての心理描写に筆が及ばないものかと思った。
 それにしても自らの出生物語を余すことなく披露する水村母娘共々の作家魂には恐れ入る。
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新原浩朗「日本の優秀企業の研究」(日本経済新聞社)

2004年03月08日 | 「Weekly 読書感想」
 Morning Message 読者の何人かにも推薦され、遅ればせらながら読了。

 「花王」「キャノン」「シマノ」「信越化学」「本田技研」「セブン・エレブン」「トヨタ」「マブチモーター」「ヤマト運輸」各社を分析し、6つの共通条件を抽出、その優秀さを説いている。これら名立たる企業とこれでもかこれでもと我社を比較されているようで、真に参ったという感じです。しかし、企業は生き物。かって横河電機や住友電工はこれの会社に優る日本のエクセレントカンパニーと称揚された。本書で取上げられた「任天堂」もつい最近、陰りを語られている。

 この本の特徴は個別企業のフィールド調査に止まらず、各章の補論で内外の最新経営研究理論で検証している点だ。先の岩井克人の「会社はこれからどうなるか」が信任受託者としての経営者論のように理念的分析とすると、本書は「社長ぶらず社長らしく」「部下と一緒になって上司を批判するミドルは最低」「行動しない善人は悪」と極めて実際的。 両書に共通するのは株主絶対やスットク・オプション等への疑問、従業員自己実現の場としての会社等、広い意味での存在理由。

 日頃、「役人に経営のことを言われたくない」と思っていたが、気鋭のこの経済産業官僚には脱帽。かって週末毎に中小企業の現場を廻った橋本元中小企業課長。最近も我々IT企業社長会に自ら出向く若手役人等、日本の官僚はその輝きを失っていない。
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朝吼夕嘆

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