センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

危険を感じる感性を養う!

2023-08-19 00:00:30 | 人の脳

私が長年「人の感覚に特化」して来た研究課題に「危険回避能力を養う」ことにあります。

例えば、危険な箇所での作業や現場などでは「ヒューマンエラー」から事故に繋がったり、時には大惨事にも成り兼ねません。

これらを「未然に防ぐ」ためのにも「危険を感じる感性」が重要となります。現在では、危険な個所などの点検や業務として担当者が当たっていますが、多くは「マニュアル通りに進められています」。

車両や航空機などの機械的な点検ばかりではありません。危険を伴う現場は沢山あります。

工事現場での作業中の事故は特に危険を伴い、時には命を落とすことにもなります。

特に、急ぎの工事や作業があると思わぬ落とし穴のような「危険個所」を見逃したりして、事故に遭ったりすることになります。

ベテランの作業員は、常に「異常なことや状態があれば感じ取り、分かります」。それは、普段と違った。音や臭い、揺れ方などの「体感」で感じ取り、分かるからです。

つまり、「五感で異常を感じることが(危険を感じる能力)」に繋がり「危険回避能力」を養えることになるのです。

何時もと違った音や臭い、感じた方で「嫌な感じがする」などが危険を感じる感性なのです。

特に、現場の監督(指示役)の方々には特に、部下の安全を守る義務があり、謝った指示や指導をした場合は、危険に晒すことにも成り兼ねません。幾ら慎重にやれと指示しても危険な箇所や状態を把握していないと正しい指示が難しくなります。

 

以前に消防署の隊員、幹部の人たちに「危険回避能力を高める方法」として講演と指導をしたことがあります。同時期、自衛隊幹部にも同じように指導したことがあります。

消防隊員も自衛隊員も災害時の救助などに当たります。火事現場に消火するために、駆けつけ、放水して消火に当たりますが、時には、高層マンションだったり、民家は勿論、山火事の現場など多義に渡ります。そんな状況の現場に「目に見えない危険箇所が潜んでいます」。こうした目に見えない危険を「五感で感知し、判断、指示」するのが現場の指示役(所長)だったりします。火を消すことばかりに集中し、二階に入った隊員が床が抜けて崩落して、下で消火に当たっていた隊員が下敷きになり、死亡するということが何十年か前にあり、現在では建物の外からの放水が中心となりました。

密集した住宅街の火災では、隣接火災という火の粉が飛び火して大火になる可能性があるので、隊員は風向きや火の粉の飛ぶ先に放水したりとしますが、その時に、見た目よりも隣の住宅に火の粉が燃え移る間際に大きな音が出ることが分かっています。パチパチというような音にベテランの隊員でも気づかないことがあります。それは、目(視覚)に頼っているからです。

日々の訓練でも「異常な音や臭い、熱さを皮膚感覚で感じるなどの訓練はしていません」。

それは、指導マニュアルにはありませんし、過去の指導からもしたことがないからです。

私が消防隊員に指導したのは、室内での理論と、実際に野外に出て、森林での異常な音や臭い、風の温度を感じるなどの方法で訓練の実施を行いました。

時には「ユニークな方法」も活用します。微かな音を聞くために、手の平を耳に充てて、像のように耳で音の方向を探る方法です。

10Hzほど聞く感度が上がることで、異常な音の箇所を探ることが出来ます。同時に森林の匂いと違う場所があれば、焦げ臭いなどと分かれば、その箇所から火の気が出ていると分かります。私は焦げ臭い臭いなどは100m以上離れても風向きにもよりますが分かります。

私が最近、山火事寸前の火の気を見つけ、撮影せずに直ぐに消火した時も火の気が見える前に焦げ臭い匂いを感じたので直ぐに見つけられました。

同様のことも自衛隊員にも必要な能力です。1997年には、青森駐屯の自衛隊員が八甲田山山中訓練の最中に窪んだ箇所での救助訓練中に、5人の隊員が倒れて、うち3人が意識不明のまま亡くなった事故がありました。

 

決して危険な箇所での訓練ではありませんでした。崖などの崩落事故でもありません。指揮官のヒューマンエラーによる事故でした。

事故が起きた現場は、真夏でほぼ無風状態でした。山岳の真夏の時には窪んだ箇所には、生き物の死骸や腐葉土などのガス以外にも「有害なガス」(火山ガス)「硫化水素や二酸化炭素」によるガス中毒で死亡しています。

2010年には女子中学生が3人が同様に火山ガス中毒で亡くなっています。

私なら、こうした火山ガスの臭いは、硫化水素の臭いは、硫黄臭い、鼻にツーンとするような臭いで、私は無風でも数百メートル先から感じ取り、その場には行かない、行かせないです。

私が提唱する「危険を感じる感性を養う」には、日々から訓練が必要であると指摘しています。肉体と精神を鍛え、訓練したとしても「危険回避能力」の向上には繋がりません。

いち早く、異常なことに気づき回避するために「自己の五感を鍛錬」することから訓練していかないと私のように異常を感じる能力は養えません。

もはや、私の感覚は「動物的感覚に近い」ものです。長年の研究と日々の訓練、意識と守るという使命感の賜物です。

私が推進する「危険を感じる感性を養う」指導は、多くの人たちを救う術となると信じております。センスプロデュース研究所、葛西行彦

 

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