センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

人なぜ、美しいものを好むのか?

2009-03-24 00:04:24 | 感覚
以前にも私のブログでも紹介したが、人の脳は快感、楽しい、楽だ、美味しい、美しいものを好む傾向が強いのである。
逆に、不快、辛い、不味い、楽しくない、美しくないなどを嫌うのである。
見た目だけでなく、匂いも同様に心地よい匂いや、美味しそうな匂いを好み、臭い匂いや危ない匂いを嫌うのである。
匂い(嗅覚)に関しては本能的感覚が働くのだが、視覚などの感覚は、本能的感覚より「感情的な感覚」が働くのである。
また、私達の大人では「固定観念」という、脳内に概念のフィルターが存在している。
五感からの情報を選択し、判断、決定を下すのである。
赤ちゃんにはこの概念のフィルターが存在しないので五感からの情報すべてを脳にインプット(記憶)している。
三つ子の魂百までもの諺はこの脳生理学から来ている言葉でもある。
概念のフィルターとは、例えば、リンゴという食べ物にも、色々な種類があり、赤いリンゴだけではない。黄色いリンゴも黄緑色のリンゴもあるのです。
ふじ、国光なども何種類もある。ましてや魚などの種類は何百種もあり、一々覚えるのも大変であり、これらを総称してリンゴとか魚と脳が理解するのです。
これが概念のフィルターなのです。
これが高齢者になると特に男性では「概念のフィルターが分厚くなり」人の話を聞かない。頑固になるので「頑固オヤジなどと言われるのです」。
また、私達が美人やイケメンを好むのも、固定観念に関わっている。
これらは脳の統一、一貫性から固定観念に縛られやすい。
人の脳は正しいか、正しくないか判断する中で、間違う仕組みが組み込まれている。例えば同時に何人からか話しかけられたら会話の内容が理解できない。
また、経験的記憶がなければ、五感からの情報も理解しにくいのである。
人の話を注意深く聞かず、ものを正確に見る習慣がないと明確に認識できず、取り間違いや間違い(ヒューマンエラー)を起こしやすくなるのです。
固定観念に縛られやすいのも、これらの理由からです。
バランスのとれたものを好み、アンバランスなものを嫌う。
美しい女性やハンサムな男性を好むのも、この統一性、一貫性から来ているのです。
私の気になる一冊の本と題して、林成之氏の「望みをかなえる脳」を紹介してきたが、この本の中で、心と脳の働きは連動していて、性格のいい人は脳の働きがよく、頭もいい、と書いております。私もまさしく、その通りだと考えている。
多くの人達は、頭のいい人と問われると、勉強が出来て、記憶力の良い人と答えると思われるが、これらは知識が高い人であり、頭が良いとは言い切れないのである。
多くの専門家(脳生理学者)は、性格の良い人、知恵の高い人が、頭が良い人と答えるのである。私も同様に知識(暗記記憶)より、自分の脳力で考え出す力「知恵」の高い人であり、創造性などの能力の高い人が、頭が良い人と言えるだろう!
よく私達に色々な人達から、人の心は何処にあるのですかと問われる。私も研究者の端くれなので「人の心は、脳に有り、前頭葉にあると答える」。
つまり、心と脳は連動しているのです。
私は講演会などで、頭の良い人になるためにはとよく問いかけられる。まずは性格を磨く事、人に優しくなれるよう努力する。つまり、性格美人、性格美男になるために努力することである答えるのである。
但し、性格だけでなく、学習も記憶体験(実体験)、五感を総動員して外的情報を脳に送ることで脳は活性化し、鍛練されるのである。
また、バランスの良いものも、アンバランスなものも、固定観念に拘らず好奇心を持って受け止めることである。
ましてや、不快なもの、不味いもの、辛い体験も脳に記憶させ定着させることである。これらの体験記憶が、今度は快感、美味しい、美しいものに出会ったときに「感動」に繋がり、再び人の脳は快感するのである。
この繰り返しの感覚が重要なのです。
バランスの良いもの、快感、美味しいもの、楽しい事ばかり体験し、人の脳が記憶すると今度は、いざ、アンバランスなもの、不快なもの、辛い体験などに遭遇すると「適性能力が欠如し、人の五感が鍛練されない」。
つまり、人の脳は刺激されず、活性化出来ないのである。嫌な事も、嫌な体験も、辛い体験も人の脳にとっては重要であり、大切な刺激なのである。
これらの体験型記憶が人の脳の快感を倍増させる働きがあるのです。
このような繰り返しの体験によって人の脳は活性化し、正常化するのです。
現在のように子供達や若者達を中心に、これらの体験型記憶の繰り返しが希薄であり、感覚刺激も曖昧になっている。これらが、私が提唱している「現代人の五感が危ない」と警鐘を鳴らしているのです。
美しいと感動するためには、アンバランスなもの、不快なもの、辛い体験、不味いものも体験することで、より一層美しいと人の脳は感じることが出来るのです。これらが「人の感性として培われる」のです。



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