センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

看護師不足が深刻化!

2007-05-01 00:00:46 | 感覚
政府統計によると、看護学校・養成所の入学者数は80年を100とすると、95年は164に達しました。しかし、最近は2000年に166、2005年は167伸びが緩やかになっています。
 一方で、就職した看護師が早期に離職する傾向は強まっています。日本看護協会の調査では、新入看護師が1年以内に離職する率は02年度で15・9%と、6人に1人の高水準。3年で3ポイントも増えました。
日本医労連の調査では、さらに24歳以下の看護師の約5割が辞めたい理由に「仕事が忙しすぎる」をあげ、「夜勤がつらい」「賃金が安い」「休暇が取れない」も各1割ありました。
都立病院も看護師不足。年間で1割の看護師が入れかわる。みんな『つかれた』『しんどい』という気持ちと語っている。
看護師学校を卒業しても、現場(病院)とのギャップの違いを強烈に体験し、現場で学ぶことの方が多すぎるのである。
高度先進医療が進んでいる現在、医療機器の操作、薬の投与、薬の種類も1000種を超えると言う、薬の種類を理解しなければ成らず、また、数ヶ月の勤務後、夜勤勤務をしなければ成らず、病院によっては15名~20名近い患者さんを担当しなければならない。患者さんの中に急激に病気が悪化すると対応できない「新人看護師達」、また、電子カルテの導入など病院の電子化も拍車を掛けており、患者個人の細かな病状やその日の行動など詳細に記録したものをパソコンに入力しなければならない。
慣れた人でも1時間以上かかる作業だが、新人看護師は4時間近くもかかる人が多いのである。
また、勤務が終わっても、自宅や寮に帰っても、すぐに机に向かって、薬の種類や医療機器の操作の勉強など、雑用以外にも学ぶことは山積みであり、新人看護師の人達が1年未満に退職する看護師は6人に1人と言われている。
最近では、5人に1人と言われているのだ。
激務の上に精神的なプレッシャー、身体的プレッシャーと抱える問題は多いのである。アメリカなどの病院のように看護師の確保が出来ており、夜勤に関しては夜勤専門の看護師が勤務しているのである。
また、雑用を減らすために、パソコンなどの事務的な作業も看護師ではなく、チーム(グループ)で分担して行っている。
また、精神的なプレッシャーや身体的な疲れが無いかチェックするシステムも導入されている。心理カウンセラーなどが病院内に在住し、看護師、医師の悩みなどの相談にのっているのです。
これらのバック体制が出来上がっている欧米と日本の看護師の働く環境の差がハッキリ出ている状態である。
アメリカでは夜勤勤務も日本のように20人近い患者さんを担当するということはあり得ないのである。
せいぜい、6人~8人、多くても10名以下である。
これらは夜勤勤務専任の看護師を募集し、採用しているからである。
私共が近年中に北関東で「医学薬科大学」付属病院の構想が有るが、看護師の確保のため、フィリピン人看護師、夜勤勤務専任の勤務態勢、医師、看護師、医療事務、検査技師などのグループで一人の患者さんに対してベストな治療、検査などが出来るようにしたいと考えている。
勿論、医学部などでの授業はオール英語で行う予定だが、知識は勿論重要だが、手技能力を重視し、研修医の期間は即戦力として活躍できるまでに指導育成することが私達の目的でもあります。
同様に看護師大学、専門学校での教育と体験学習などの取り組みが必要である。
但し、私共や学校だけが取り組んでも、現在のような医療環境では看護師の途中退職に歯止めがきかず、また、看護師の増加は期待できない。
日本の医療界が取り組み、海外に依存するのでなく、日本国内での育成に本格的に取り組まなければ、10年後には看護師の3割近い人達が海外から勤務者になると私は予想している。
以前まで3Kという、汚い、きつい、危険などと言われた職業が有ったが、看護師もこれらに似た職場条件に成っている。
「夜勤がつらい」「賃金が安い」「休暇が取れない」決してわがままで言っている言葉ではない。
これらに勉強、雑用と加わると「激務」の一言に成るのです。
また、医療ミスの不安、ストレス、プレッシャーなど精神的不安も重なり、酷い場合は「適応障害」、ストレス障害などで途中退職をしなければ成らない人達も急増しているのです。
これらが原因で、日本の看護師不足が各地で起こっているのである。
これらの現状を改善するのには、日本政府、看護師協会、日本医師会などの組織、日本の医療改革が必要であり、今後、これらの問題を改善と金銭面の支援、精神面の支援、サポートも必要である。
決して、魅力ある業種ではなくなってきている。私の娘も動物病院の看護師をしているが、以前、人間の病院の看護師をしてみないかと質問したら簡単にNOと言われたのがショックだった。
激務だと友人達から聞いているのである。その友人も今年看護師を途中退職している。
本当に優秀な人材を減らすだけでなく、本人や家族にとっても金銭的負担、
看護大学や看護師学校の教育費を考えると1年未満に退職されると人材も金銭的にも「勿体ない」のである。
折角、看護資格を取得し、これからと言う未来がある若者達を医療現場から離れて行くことは「日本の医療の未来も暗い」という事である。
私共は専門医の不足、看護師の不足を根本的に見直し、関係各所に呼びかけながら、医療改革、人材の育成、確保に全力で取り組むことで医療界に一石を投じることが出来ればと願っている。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、



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