社長選びの前にやることは?

2010-01-12 00:00:14 | 企業抗争
日本航空の結末が近付いている。

今のところ、考えうる中では、かなり厳しめの「会社更生法」の申請。

さらに、100%の減資とか、マイレージの数年間凍結とか、大規模リストラとか。

では、空中戦を演じていたアメリカンとデルタはどうなるのだろう。

年金基金は解散というが、元々が退職金の一部の運用委託と考えれば、労働債権ということで、結局は最優先されるのではないだろうか。

そして、何もかも不透明な中で、社長(CEO)選びが先行している。(社長とはCOOを指すことが多いが、要するにトップであり、現在の西松遥氏の後任のこと)

その前に、財務出身の現社長が2006年に就任した時に。「こりゃ、ダメだろうな」と思ったわけだ。要するに、金策が上手いだけなわけだ。メガバンクや政策投資銀行を上げたり下げたりしたり、一般的には増資とが社債とかを組み合わせて、自転車操業をする。

結局は、通常爆弾が原子爆弾化したり水素爆弾化する。

一方、経理畑出身者の場合は、粉飾決算スレスレの帳簿のマジックに頼るも、結局は無一文になる(債務超過のこと)。

西松氏のパフォーマンスで唯一目立ったのが、社長の報酬。月額80万円だったか。年収1000万円以下。そして黒塗りハイヤーの返上。それが、何の効果になるのか、当時は、ほとんど意味不明だったか、だんだん意味がわかってきた。


ところで、会社更生法の場合、絶対に必要なのが、「再建計画」である。今までの借金をすべて棒引きにしたって、これからまたも赤字が出るなら、もはや誰も支援しないだろう。まず、民間銀行。それと燃料会社(石油会社)。燃料の購入には、銀行の債務保証か、前日払いか、キャッシュ・オン・デリバリーということになる。可能なのだろうか。

そして、再建後の青写真どころか黒写真も赤写真も見えないというのは、「誰が再建案を作るのか」ということである。民主党?国交省?新社長?再生支援機構?アメリカ人?

そういうのに社長を探しても、簡単に見つかるとは思えないわけだ。

一説には、京セラ及びKDDI創設者の稲盛和夫氏の名前が挙がっているが、「保留」らしい。そりゃ、突然言われても会社の内側の問題点とか把握できないだろう。単に椅子に座っていればいいということにはならないだろう。

もう一つの筋は、運輸関係者である。安全と利益のバランスとかに長けているからだ。

名前が出てないので、勝手に推測すると、

草刈隆郎日本郵船会長

澤田秀雄HIS証券社長(HIS及びスカイマーク創設者)

細谷英二りそな銀行会長(元国鉄マン)

とかの大物の名前が列挙されるが、どの方もJALには、かつて痛い思いを喫しているのではないかと想像。かなり激しいプランを持ち出すのではないだろうか(結局、断るだろう)。

しかし、かつては学生にとって人気ナンバーワンの就職先だったのに、この人材不足はなんだろう、と思い何人かの元日航マンのことを思い出すと、米国の有名大学院の卒業証書を持って、さっさと企業離脱している。しょせんは社員が実質的な経営者にはなれない会社だからだ。

そして、案外、大物候補の方にとって、口にしないものの大きな問題は、前任者の報酬や待遇。低年収に黒塗りなしでは、とてもじゃないけどやってられないだろう。

案外、社長希望者が現れないようにという現社長の深慮遠望だったのではないだろうか。


そこで、突然思い出したのだが、低報酬でも引き受けてくれそうな方を思いつく。

小倉昌男元ヤマト運輸社長 大口得意先の三越から仕事を断られ、会社行き倒れ寸前のところを、乾坤一擲、宅配便事業に打って出て、日本全土を制覇した。

打ってつけとは、思うのだが、最大の問題は、現在の所属が「霊界特急便社長」ということ。

報酬も黒塗りも不要なのだが。


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