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2010-09-27 00:00:10 | 書評
スポーツやアウトドアをテーマにしたエッセイや小説を書かせたら、名人芸という山際淳司氏が45歳の時のゴルフエッセイである。実は、このエッセイを出版して1年後の1995年、彼は胃がんで46歳の人生を閉じるのだが。このエッセイの中には、どこを探しても冥界の匂いはしない。人生の歩みの中で世界中のゴルフコースで楽しみ、集めたネタの本の一部を紹介している。



彼の紹介する、ゴルフネタの数々は、ほとんどがひねりの利いた冗談みたいなのが多いが、気になる話が二つ。

一つが、20世紀初頭に活躍したとされる幻の日系ゴルファー「スキ・スキユキ氏」のこと。1910年頃に香港・上海方面で活躍し、その後、アメリカに渡る。左右両打ちゴルファーで、クラブのスイングが早く、何度か二度打ちの反則をしているそうだ。

彼の師匠は、「タマ・シャンティー」という日本人だそうだ。そして1919年と1920年のブリティッシュオープンに連続優勝。1回目が右打ちで2回目が左打ち。しかし、どちらの年も、スウィングが早過ぎて2度打ちで失格。

実は、二度打ちが原因で、公式優勝者に名前が載っていないわけじゃなく、話全体がフィクションだからだそうだ。



そして、もう一つのネタは、ホールインワン。

実は、山際氏はかつて2度ホールインワンを目撃したそうだ。

一度目は前の組で、右の土手にぶつかったボールが跳ね返り偶然にもグリーンの上を転がり、そのままカップイン。うれしいより恥ずかしいそうだ。

二度目の目撃は、後ろの組。先にショートホールを終え、後続組のプレーを見ていると、強烈な逆光と西陽のせいで、カップインしたのに、ティーからは見えないらしく、何の興奮も伝わってこない。

これからは、逆光ゴルフでは、自分のホールインワンを見逃さないように、サングラスをかけることにしよう。


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