かくカク遊ぶ書く遊ぶ(大沢在昌著)

2012-03-12 00:00:04 | 書評
kakuasobu新宿鮫シリーズで有名なハードボイルド系ミステリ作家の大沢在昌氏のエッセイ。

「新宿鮫」だけではなく、「六本木聖者伝説」や「坂田勇吉」とかさまざまなものをシリーズ物にしてしまい、読者の底辺の拡張に励んでいる。うっかり別のシリーズの登場人物なんかを書きこんだりしないのだろうか。筋書きが似て来たり位はあるのだろう。

というわけで、ほとんどエッセイなど書くことはないようだが、作家としてデビューするところまでの実話をどうしても書いておきたかったのかもしれない。

要するに、こどもの頃から文学好きの家庭の影響で、どうしてもエンタメ小説家になりたかったのだが、人生をブラブラと無為に過ごしているうちに、新聞記者だった父親が不治の病に倒れる。父親からの「小説家になる夢を捨てるように」という今際のコトバに嘘でも答えられずに、葬式の日に新人賞受賞の電話がかかってくる。(昨年のノーベル医学賞がそんな感じだった。通知が届く数日前に本人が逝去。)

で、趣味は釣りとゴルフと夜遊びらしいのだが、なんだか、そういうのを読むと、「新宿鮫」を大きく超える作品を期待するのも無理な感じが漂ってくるのだが。


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