参勤交代(大名家の旅)

2015-05-17 00:00:45 | 美術館・博物館・工芸品
羽田空港内にある美術館、『ディスカバリーミュージアム』では、細川家のお宝管理団体でもある永青文庫コレクションの展示が続いているが、今回のテーマは参勤交代。

なにしろ細川家は国元が熊本県だ。かなり遠い。隣の鹿児島の島津家の方が遠いのだろうが、記録では島津家の旅程が40日から60日となっているので、1000人を超す集団の移動では大出費だ。それも2年に一度ということは、毎年1回、片道旅行をしていることになる。

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そして、細川家のお決まりコースというのは海陸併用型。まず、九州を横断して大分県の鶴崎に向かう。そして、殿は2階建ての御用船(舟屋形)に乗る。ファーストクラスだ。その他の武士は別の船。記録に残る中では、67隻、786人、馬7匹。その後、瀬戸内海を潮をみながら東上し、大坂に上陸。その後、陸路を江戸に向かうわけだ。総費用は23億円。

実際には、費用がかさみ、多くの藩では陸路部分を増やしてコストセーブを行ったようだ。ただし、島津藩は、当初は海路だったのだが、幕末の頃は、陸路に変更の隠れ蓑の下、長崎に立ち寄ったり、各地で諸藩と接触したりしていたようだ。

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ところで、細川家に残る、参勤交代用の地図だが、瀬戸内海西部の海陸行程図になっているが、奇妙なことに九州大分の鶴崎港と兵庫方面の行程が書かれているのだが、九州と四国が陸続きになっている。いかに地図に疎いとはいえ、それは決定的に困るのではないだろうか。単に絵師が無知だったのか、誤った地図には何らかの意味があるのだろうか。

まったく、わからない。


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