もう一つの建設反対運動

2005-11-07 23:18:21 | 企業抗争
1f43f21e.jpg大田区の民有地にマンションが建設されることになり、桜の古木を切り倒す騒ぎに、マスコミが群がり正義漢になりすまそうとしているのだが、本題でないので軽く書くと、大田区で他人の土地の桜について文句を付けるのは、難しいだろうということだ。何しろ、地価が高いのは住民だって知っているはず。そして、そこに住んでいる住民ということは、そこにあった自然条件を破壊したからこそ自分の住宅になっているということ。最後に残った土地に対して、「自然を残せ」とはいかにもエゴっぽい。

私も、以前、近隣のマンション建設に反対する立場になったことがあるが、土地所有者も必死であり、「じゃあ設計変更による逸失利益を補償してくれ」という話はまとまらないし、日照権も地区によって細かく規定があり、業者はギリギリの線を狙ってくるだろうし、日本では眺望権はほぼ法定無価値だ。だいたい、こんな話は全国に無数に発生しているのに、ここだけ騒ぐのも。


ところで、本当は、冷静な頭で考えなければならない構築物が、着々とできあがりつつある。それは六本木に進出しているディスカウントストア、ドンキホーテの8階建ての屋上に建設中の「絶叫マシーン」だ。「ハーフパイプ」というそうだ。なんとなく名前から想像がつく。そして、この建設話が始まる少し前に、近くのビル(ロアビル14階のタイ料理店エラワンの窓際の席)から1枚撮影していた。偶然。何かビルの屋上に、意味不明な枠が横に並んで組まれている。この時に既に何か始まっていたのだ。

もちろん、地元は大反対をしているわけだ。だいたい、この表通りから少し裏のごちゃごちゃしたところに入ると、住宅(大部分は10階建て以下のマンション)が多い。そこを、ゴロゴロと音をたててマシーンが動き、さらにおそらくはほとんどが飲酒客が、絶叫するとしたら・・大田区の桜どころではないような気もする。

計画は地上55メートルということらしいので、おそらく、撮影した14階に近いところまでの高さなのだろう。乗り物に乗る(と言うか、つかまると言うか)と、周りのビルや、マンションが目に入り、郊外の遊園地のようなオープンエアとは異なった恐怖感や圧迫感があるのかも知れない。もし、心に余裕があれば、他人様の室内だって覗けるかもしれない。

そして、問題の営業時間だが、これが驚きのセブンイレブンなのだ。といっても7時から23時までのコンビ二スタイルではないのだ。11時から翌朝7時まで(イレブンセブンか)。ということで問題は相当あるのに、建築基準法一本やりで12月完成を目標にどんどん進行中。つまり軋轢も進行中ということだ。

何しろ、六本木にドンキが進出するときから、地元とはいざこざが続き、数々の念書があるらしいのだ。たとえば、ビルの屋上には駐車場を増設するとか、今後の増設には地元の了解がいるとかだ。その辺は私には知る由もない。

ところで、デパートの屋上といえば、ずっと昔は、遊園地のように、こどもが遊べるようになっていることが多かった。簡単な電動遊具が何種類もならべてあって、買い物に飽きるだろうこどもを親がだまして連れ出す口実だったのだろう。その遊具を作っていた会社の一つが、ナムコなのだが、今も片手間で作っているのだろうか?遊具製作の従業員にゲームソフトの開発をやらせることはできないだろうし・・

そして、最近は観覧車がブームだ。阪急が大阪方面に続き横浜にも設置。確か松山の高島屋にもあったような。そう考えるとドンキ六本木はその未来的延長なのだろう。しかし、問題は、「後付け」ということだ。このビル、元はドンキではなかったはず。普通のビルだし、古そうだ。耐震性は大丈夫だろうかということがある。さらにその不安なビルの上に、絶叫マシーンを乗せるわけだ。もともと地面の上に設置するならともかく、地震の場合、ビルの屋上はより大きく揺れる。だいたい二つの別々の物体がどのような動きになるのか、不安ではないだろうか。ビルだって、隣のビルが倒れかかれば、ドミノになることだってあるだろう。一つ一つが安全だからといって、縦に二つ重ねたら、それこそ、地震の時には「実録・絶叫マシーンの恐怖」ということになる。

しかし、法令で禁止できないことは、「危険そうだ、という非科学的な論拠」で覆るわけもなく、こちらも結局、六本木の景観だいなし方向に進むのだろう。そして12月のクリスマスの頃には、このビルの前の歩道を歩く「善良な第三者である」通行人多数は、突然にガラガラという轟音とともに上空50メートルの高さからの絶叫を耳にすることになり、思わず見上げて、気をそらされている間に、次々に多国籍スリ団の餌食になることだけは間違いないだろう。


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