続南ヴェトナム戦争従軍記(岡村昭彦著)

2013-10-14 00:00:26 | 書評
今月4日に老衰で亡くなったボー・グエン・ザップ将軍の国葬が12日と13日の二日間、ヴェトナムで行われた。享年は、満102歳。各種報道によれば、フランス軍と戦ったインドシナ戦争、米軍と戦ったヴェトナム戦争を指揮し、フランスのナポレオンと呼ばれたというように紹介されている。記憶の整理のため、最近入手した岩波新書の一冊である「続南ヴェトナム戦争従軍記(岡村昭彦著)」を読む。「続」の付かない方が有名で、その後、再び南ヴェトナムに潜入し、いわゆるヴェトコンの幹部であるファット副議長との単独会見を行った著者の手により、1966年に出版されている。ファット副議長との会見は、1965年とされている。

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で、この辺でヴェトナム戦争の流れとリンクさせてみると、1965年というのは、大きな節目の年で、米軍の指導を受けた南ヴェトナム軍とヴェトコンの戦いが行われていて、「政府軍」と「解放戦線軍」とが、オセロゲームのように村単位で陣地の奪い合いをしていた。いつものように苦しむのが市民で、この市民が結局解放戦線を支持するようになってきていたわけだ。

で、この年、米軍と北ヴェトナム軍の戦闘が本格化を始めたわけだ。

1965年の著者の取材では、北ヴェトナムは直接南ヴェトナムを支援しているわけではないとヴェトコン幹部は話している。実際はどちらだったのかは不明だが、その直後には北ヴェトナム各地に対する爆撃が始まる。日本を屈伏させたのと同じだ。そして原爆投下が検討されるが、実現しなかった。


戦闘終結は、それから10年後。1975年4月30日である。つまり本書が発表されたから10年は必要だったのだ。

著者の経歴はwikipedia等で調べていただければ、と思うが、好きか嫌いか意見が分かれるのだろうか。


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