ラフロイグ、少し誤解

2021-07-07 00:00:17 | あじ
最近、アイリッシュウィスキーを嗜もうとして、まず「JAMESON(ジェムソン)」から始めたら、すかさず知人が「アイリッシュ、1本あげるから」ということになる。



ということで、いただいたのは円筒形の箱入りのウィスキーで『LAPHROAIG(ラフロイグ)』。ただ、少し問題がある。ウィスキー党の方は知っていると思うが、『ラフロイグ』はアイリッシュではなく、スコッチ。といってもアイラ(ISLAY)島にある七つの蒸留所の一つ。

アイラ島はスコットランドの北西部でアイルランドより北にある島でこの島の西側には大西洋があり、その先はアメリカ大陸。アイラ島は「シングルモルトの聖地」と言われ、この『ラフロイグ』も生産量の9割は他社のウィスキーのブレンド用になっていて、1割を『ラフロイグ』ブランドのシングルモルトとして販売しているそうだ。



チャールズ皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)が愛飲しているそうで、ボトルのキャップにはウェールズの旗があしらわれている。

なぜ詳しいかといえば、村上春樹が1999年に書いた『もし僕のことばがウィスキーであったなら』に詳しい。本には蒸留所の写真もある。彼は洋酒会社の仕事で、アイラ島とアイルランドのウィスキーについて寸評を書くためにバーを飲み歩いたそうだ。アイラ島の7つのスコッチを飲み比べたところ、飲みにくい味のベスト7の第三位がラフロイグということだそうだ。ピートの匂いがきついのが特徴。海藻成分を含んだ泥炭なので、ちょっと変わった香りがついている。



村上春樹がいったわけではないが、日本では、一般に「正露丸の味」と言われているようだ。

液体の色は、薄めで「金色」といわれるが、カティサークの色である。現在、蒸留所はサントリーの傘下企業になっている。作家の仕事は、レポートを書くためではなく、後々の株式買い取りのための産業スパイだったのだろうか。