埴輪正装男子

2021-07-12 00:00:51 | 美術館・博物館・工芸品
埴輪のことは、多くはわかっていない。といっても学者先生にとっては、「自説」というものがあるので、全部わかっているようなことを言う。

わかっているのは、ほとんどが古墳から出土され、前方後円墳がなくなった6世紀後半には埴輪もなくなったということぐらいだ。



月刊経団連6月号の表紙は国立博物館蔵の正装男子。群馬県太田市の四ツ塚古墳出土である。6世紀の作。実は、群馬県からは多くの埴輪が出土していて国宝も含まれる。なぜ群馬県が埴輪大国なのかもはっきりしない。

四ツ塚古墳という名称の古墳は全国に数多くある。山梨、岡山、静岡。塚が四つあるという意味の地名だ。。

なんとなくなじめないのは、埴輪のモデルとなった人や衣類などが半島系の雰囲気になっていて、支配層が渡来人であったことを想起させるのだが、史実にはなっていないし、半島と列島が陸続きだったこともない。大陸や半島のファッションに憧れていたという可能性はある。



この正装男子像は高さ116センチだそうだ。7月からは交代で正装女子が展示されているそうだ。こちらは120センチ程度だそうで、これも場所は異なるが群馬県の出土である。

なお、いくつかの埴輪には塗料の残存物が付着しているそうで、完成の時には色鮮やかだったことを示唆している。