藤井憲郎詰将棋作品集

2017-06-10 00:00:56 | しょうぎ
最近、将棋界で「藤井」というと、連勝中学生のことになる。少し前なら藤井システムという画期的な戦法の発明者が有名だった。将棋の定跡に特許権が認められるなら、相当の富を得ただろう。

連勝中学生は詰将棋も第一人者で、解くだけでなく作る方も難解作が好きなようだ。

fujii


ということで、ついに第三の藤井と言われる藤井憲郎氏による7手詰以下100題がまとめられた。新幹線で関西に行くときにちょうどいい長さだ。

詰将棋の短編というのも解いていて奇妙なのは、何題か答えが見えない問題もある。つい、「ミスプリント」ではないかと疑ってしまう。悪い癖だ。時々ミスプリントで詰まないことがあるため、どうしても問題のせいにしてしまいがちになる。

今回も1問、解けないので翌朝に持ち越した問題があったが、二日目に見ると難なく解けてしまう。やはり人間の脳というのは、欠陥があるのだろうか。


さて、5月27日出題作の解答。

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邪魔駒移動法である。上部脱出防止のために打った2三金が邪魔になるわけだ。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。

0610m


入玉図。一手一手はたいした手ではない。それぞれの駒の最低限の能力を利用する。

総手数のヒントだが、
「総手数と盤上駒数の積は、総手数から持駒数を引いた差の三乗からさらにストロベリー数(和名)を引いたものに等しい」

7x

ただし、正の奇数である。

三次方程式の解を得るには1545年に発表された有名な数学者「カルダノの公式」がある。その10年前に別の数学者タルターリアから「マル秘」で聞いたものを、本人の許諾なしに自著
で公開したとも言われている。タルターリアからの抗議と数学決闘を挑戦され、カルダノは自分の代わりに優秀な弟子フェラーリをタルターリアと数学決闘で戦わせ、フェラーリは四次元方程式の解法まで公開してしまう。なんてひどい人間たちだろう。ちなみに3人ともイタリア人だ。