満天の星々とサンセット

2016-12-11 00:00:00 | たび
先月の終わりに、ハワイ島に行っていた。12月下旬からは羽田からハワイ島(コナ空港)へ直行便が復活(以前はJALで、今回はハワイアン・エア)するというのに悪名高いホノルル空港での乗り換え(入管も大変だし、乗り換えも大変)。

で、オアフとはまったく違う島で、全島が溶岩そのものという大きな島で、四国を少し小さくしたサイズだ。それなのに4000m以上の火山が二つある。高い方がマウナ・ケアで4208m。その頂上には世界各国(日本を含む)の天文台がある。なぜなら地球上でもっとも天体観測に適しているとされている。

理由は、ハワイ島は空気がきれいである(野性的な島だ)こと、マウナ・ケアの頂上は空気が薄くはっきり見える。赤道に近い方が多くの星を見ることができること。最後の理由は、ハワイはアメリカであり観測者たちが文明的に居住できることだろうか。

ただ、観光客がレンタカーで行くには危険が多く(保険対象外)現地ツアーを頼むこと人なるのが一般的だが、これには何種類かある。まず、頂上の天文台見学ツアー。次に頂上に行った後に、少し低い場所(2800m)で星空観測するツアー。そして最も軟弱なのは、頂上には向かわず2300m付近の山麓で星空ツアーだ。そして選んだのは軟弱ツアーだ。

というのも、4208mに怯えたわけだ。頂上に向かうには、途中で休憩30分入れてから一気に車で上がるのだが、富士山よりもかなり高いわけだ。体力に自信がない。自分的には、人生の最後に罹る病気は循環器系ではないかと思っていて、霊地マウナ・ケアで酸欠で亡くなるのではないかと、感じた。空の星が一つ増えることになる。

ということで2300mコースにしたのだが、振り返ると自分の経験の中でもっとも高い場所は北軽井沢(1000から1400m)という結論に至る。

そして、山から吹き下ろす烈風の中、空には満天の星なのだ。今までの人生で観た全部の星の数より多くの星が見える。上を向くと5cm感覚で星が詰まっているように見える。天の川も端から端まで見えるし、各種の星座もくっきりだ。本当に六等星といわずもっと暗い星も見える。

hoshi


残念なことにカメラは持って行ったが、三脚ではなく一脚(自撮り棒の改造)では風速10mでは、体が動き、撮影できたのは金星だけなのだが、本当に無数の星が見えるわけだ。6人ほどが同じツアーで、みんな流れ星を見ることができた。20代の若い男の子は6個観たと言っていた。夜の視力に自信があるなら、仕事を変えた方がいいだろう。私は1個だけ、それも上から下に向かって流れるという不気味な物であり、願い事を祈ることを忘れる。

sunset


この2300mの地点の直前にいたのは、ハプナビーチという島の西北の海岸。サンセットは美しいが、個人的にはバリ島の日没の方が神秘的な感じがある。もっともハワイ島は観光地用に何かしているわけではなく、あくまでも野生そのものの島だ。海抜0mから2300mまでバスで30分。やはりこれ以上空気が薄くなるのは無理だ。

ハプナビーチの砂は、ハワイ島では珍しく白浜である。ブダイという魚がサンゴ礁を齧り、その齧られたサンゴが白い砂となるそうだ